中期経営計画
ウシオ電機株式会社は、2023年4月からスタートする3ヵ年の新しい経営計画として、「中期経営計画」を策定しました。
2024年3月期~2026年3月期プレゼンテーション資料
2030年に向けて
ウシオの今〜30年に一度の大転換〜
ウシオは1990年代以降、市場が急拡大・変化する中、現場が機動的に動く自立型の連峰経営を推進し、利益率水準は大きく上昇してきましたが、リーマンショック以降大きく様相が変わり収益は漸減傾向となっていました。課題を軌道修正し、持続的に成長していける会社を目指し、2020年7月に公表した第1次中期経営計画において、2030年に向けてのMissionとVisionを策定、経営方針を自立型経営から連帯型連峰経営へと方針を大きくシフトチェンジし、「真の『光』のソリューションカンパニー」として拡大を目指すことを公表しました。
30年に一度の大転換としての位置づけ
Vision 2030
第1次中計の振り返り
2020年7月に公表した第1次中期経営計画では、Vision 2030の達成に向け「基礎固めへの再挑戦」を基本方針に、「防ぐ戦略」、「攻める戦略」及び「束ねる戦略」の3つの戦略を各事業戦略に落とし込み、収益構造改善を推し進めました。その結果、最終年度の2022年度の業績は、売上高1,750億円、営業利益158億円、営業利益率9.1%となり、いずれの項目も必達目標を達成することができました。
全て必達目標を達成し、収益構造転換、基礎固めを概ね完了
FY2022実績 | 必達目標比 | FY2022目標(必達~野心的) | |
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売上高 | 1,750億円 | +50億円 | 1,700億円 ~ 1,900億円 |
営業利益 | 158億円 | +18億円 | 140億円 ~ 190億円 |
営業利益率 | 9.1% | +1.1p | 8%超 ~ 10%超 |
第1次中計の目的は達成、新体制にて全体パフォーマンス強化を継続推進
ガバナンスの改革
財務余力の活用
第2次中期経営計画の位置づけ
2030年に「光のソリューションカンパニー」となり、業績目標を達成するためにバックキャスティング思考で道筋を描いており、次のステージである本中計は、「成長を仕込む」期間と位置付け、光のソリューションを提供する体制を構築し、成長事業の伸長や再構築事業の再生、更に新規事業の仕込みを行い、事業ポートフォリオの変革を進めます。また、これらの実現に向け、戦略投資を強化し、拡大していく計画です。そして仕上げとなる第三次中計は、第一次、第二次の取り組みの成果を実現する期間と位置付けています。
3次にわたる中期経営計画を推し進め、「Vision 2030」の実現を目指す
基本方針
第2次中期経営計画の基本方針は、Vision 2030の実現に向け「成長を仕込む」事です。成長を仕込むにあたり、ウシオの価値提供の対象市場である、Industrial Process、Visual Imaging、Life Scienceにおけるメガトレンドにて、事業ドメインの再編と強みの再構築を通じて、光ソリューションを提供する体制を構築し、市場軸に基づく成長を加速していく事を目指します。また、そのために事業を下支えする経営基盤の構築が不可欠であり、M&Aを含む戦略投資、成長投資と自社株投資を中心とした資本効率の改善、ESG経営の本格推進を行います。
数値目標
既存事業の拡大により売上高、営業利益を伸ばしつつ、事業モデルの再構築を推進
~ M&Aを含む投資拡大を踏まえ最優先KPIとしてEBITDAを採用~
新中計 | Vision 2030 | ||
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FY2022実績 | FY2025目標 | FY2030目標 | |
売上高 | 1,750億円 | 2,200億円 | 2,500億円 |
営業利益*1 | 158億円 | 210億円 | 300億円 |
営業利益率*1 | 9.1% | 9.5% | 12%以上 |
EBITDA*2 | 236億円 | 300億円 | 390億円 |
EBITDAマージン | 13.5% | 13.6% | 15.6% |
ROE*1 | 5.7% | 8% | 10% |
CCC | 6.6ヵ月 | 5.2ヵ月 | --- |
自己資本比率 | 75.4% | 60%以上 | --- |
- 営業利益、営業利益率及びROEの目標値は、新規ののれん償却を除いて算出
- EBITDA=営業利益+減価償却費及びのれん償却費
2025年の目指す姿
中長期的な事業拡大イメージ
事業ドメインの再編
これまでは製品を軸にしたプロダクトアウトの発想で構成されていましたが、今期よりこの事業セグメントを、市場を軸にしたマーケットインの発想で再編し、Industrial Process事業、Visual Imaging事業、Life Science事業、また、この3つの市場軸の将来成長に貢献が期待できるフォトニクス領域については競争力の早期確立のため、Photonics Solution事業として切り分けたドメインを設けました。この4つの事業セグメントにて、光ソリューション提供を加速させ、それぞれの市場における価値提供領域にて社会価値の創出を目指していきます。
事業ドメインの市場軸への再編によって、光ソリューション提供を加速
ポートフォリオ変革
事業ドメインの再編により、市場軸に基づく2030年までの事業ポートフォリオイメージを以下にお示ししています。Industrial Processはコア事業として安定的な収益拡大を推し進めます。Visual Imagingはコア事業の中でも再構築事業と位置づけ、収益基盤事業となることを目指します。またLife Scienceにつきましては、現状は事業規模、収益性ともに低いですが、成長性は高く、光が活用できる領域が大きい市場ですので、2030年にはIP、VIに並ぶ新たな注力ドメインとして成長させるべく、育成事業と位置付けます。
2030年の目指すポートフォリオの実現に向け、経営資源を適切に配分し、成長を加速していくとともに、継続的に事業ポートフォリオの見直しも実施してまいります。
市場軸にて事業ポートフォリオを再編・位置づけし、戦略を推進
各事業戦略については、中期経営計画スライドの31ページ以降をご覧ください
資本効率改善(戦略投資含む)
本中計の最終年度の2025年にROE8%以上という目標を設定しました。この実現に向け、本中計期間の営業キャッシュフロー、資産売却および有利子負債などを源泉とし、自社株投資と成長投資に大規模な配分を行ってまいります。自社株投資+配当では、本中計期間で700~900億円規模を想定しており、初年度として300億円の自社株投資を実施いたします。また、戦略投資として400億円以上を配分してまいります。
自社株投資と成長投資への大規模な配分により資本効率の改善を目指す
キャッシュ創出
- 中計期間の営業CF:3ヵ年累計で600億円
- 資産売却:150~200億円
- 有利子負債活用:400+α億円 資本コストの引き下げ
キャピタル・アロケーション
戦略投資:400+α億円 | M&A含む成長投資:400+α億円 |
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財務基盤 | 自己資本比率:60%以上を維持 |
自社株投資+配当: 3ヵ年累計で700~900億円程度 |
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ROE 8%以上(FY2025 目標)を
目指す
ESG経営の本格推進
第1次中計時にはVision 2030に向けマテリアリティである「5つの経営のフォーカス」を定めました。当第2次中計では、事業成長とESG両軸でVision 2030の達成を目指すべく、非財務KPI目標の明確化をし、活動を進めてまいります。
5つの経営のフォーカス(マテリアリティ)と 2030年の目指す姿
経営のフォーカス | 2030年の目指す姿 | 主要KPI(2025年) | 経済価値とのつながり |
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より社会的価値の 大きい事業創出 |
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新たな事業創出による将来の売上・利益の拡大 |
ビジョンに近付くための人財の質向上 |
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新たな価値創造を可能にする人財の拡充により、利益が創出され、成長戦略が加速 |
成果を上げやすい 職場環境作り |
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多様な人財に対する魅力ある働き場所・働き方提供による、エンゲージメント向上・生産性の向上 |
持続的な環境負荷低減 |
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環境配慮型製品による事業創出社会的責任履行による企業価値維持・拡大 |
強固な経営基盤の構築 |
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安定した収益基盤の構築企業価値毀損の未然防止 |
人財戦略
人財戦略の方向性は、グローバルベースでの人財育成、広範な学術領域・技術的なバックグラウンドと経営リテラシーを併せ持つ人財の育成により新たな価値創造につなげていくこと、そして多様性を重んじた働き場所・働き方の提供、社員のエンゲージメント向上となります。その一例として、従業員向けのインセンティブとして、株式付与制度導入を発表しています。
ガバナンス体制
これまでもガバナンスの強化・推進を実施してきましたが、更に、本中計開始にあたり、役員の報酬制度と株式報酬制度の改正、そして社外取締役の取締役会議長就任の3つを実施する予定です。今後もVision 2030の実現に向け、更なる取り組みを計画しており、適宜発表してまいります。