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光のシャワー

立てば250万、座れば50万、歩くあとから500万。これは、人が動いたときの1分間あたりの“チリ”の発生数です。チリの大きさは0.3マイクロメートル(μm、10-6m)。ミクロの加工をする半導体工場がクリーンルーム化するのも当然です。まして製品への付着はもってのほか。毛髪や皮膚片、手あぶらなども、品質や生産の歩留まりを左右しかねない、あってはならない“汚れ”です。


問題が残るふたつの洗浄法

ハイテク産業分野での洗浄には、ウォータージェット・超音波によって物理的に汚れを離脱する方法、水・有機溶剤・界面活性剤を使う物理化学的な方法、酸・アルカリで化学的に溶解する方法などの「ウエット洗浄法」と、プラズマを用いる「ドライ洗浄法」が実用化されています。
ところが、ウエット洗浄では分子レベルの有機汚染膜が残り、プラズマによるドライ洗浄では洗浄物を破損したり、荷電粒子が打ち込まれたりするなどの問題が残ります。


光洗浄のしくみ


光で汚れを消し飛ばす

光によるクリーニング。これは1970年代初めに考え出された方法です。
紫外線エネルギーが有機物(汚れ)の化学的結合を切断し、分解することは古くから知られていますが、これに、紫外線によって発生するオゾンの強力な酸化作用を組み合わせて、有機物を一気に炭酸ガス・窒素・水などに分解、気化しようというものです。ドライ洗浄であることも大きな特長です。
この光洗浄には、これまで低圧UVランプが用いられていましたが、精密化・微細化が進む半導体や液晶基板の製造分野では、より精密で高効率の新しいUVランプの開発が待ち望まれていました。


短波長で単一波長のエキシマ光

1993年、ウシオは、世界に先駆けてエキシマランプ(誘電体バリア放電エキシマランプ)を商品化します。
これまでの放電方式と異なる発光メカニズムによって、真空紫外線(波長180ナノメートル(nm、10-9m)以下の紫外線)で、しかも短波長で単一波長という、ランプでありながらレーザーに似た強力な光を放射します。
エキシマランプの登場は、これまで不可能とされていた光化学反応や、反応自体の高速化を可能にするなど、ハイテク産業分野で大きな注目を集めました。
2000年代に入り、エキシマランプは精密ドライ洗浄用としてユニット化、装置化され、液晶パネル製造分野で大きく花開きます。今日では、必須プロセスとしてほとんどの製造ラインに導入され、拡大を続ける液晶産業の重要な一翼を担っています。