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健康を支える光

第2章 血液検査をもっと身近に。
微量血液検査システム「バナリスト®エース」


世界初の液体試薬を使用するμTAS※測定チップを使った微量血液検査システム「バナリスト®エース」。
ウシオの光テクノロジーによる小型分析装置と、ロームの半導体微細加工技術を生かした測定チップ、三和化学研究所の血液検査試薬ノウハウが融合し、安全・迅速・簡単で、微量の血液による検査を実現しました。

※μTAS(マイクロタス)測定チップ:Micro Total Analysis Systemの略。
 数mm角のチップの中で、一連の化学操作を短時間に行うシステム。


患者と医者の負担を減らし、的確・スピーディな診断を。

わずか4μ (100万分の4 )、針先で突いた程度の微量の血液で、「バナリスト®エース」は感染症や血糖値の検査ができます。1m (1000分の1 )の採血が必要な大型の従来装置と比較し、実に250分の1の微量な血液で検査が可能になりました。採血が困難な患者や小さな子どもに、負担をかけることなく検査ができます。
しかも操作は、採血した検体を測定チップに挿入して、装置にセットすればスタートボタンを押すだけ。炎症のチェックなら約8分、血糖値でも約10分という速さで測定。測定後は、そのままチップを廃棄できるので安全に処理できます。また、装置はコンパクトな卓上型で、場所をとらず、医師や看護師が診察前に採血して、測定結果を見ながらそのときの状況・病状に応じた的確な診療・投薬・生活指導が可能です。


測定の流れ(従来機器との比較)


3社の基礎技術を結集した開発の成果

バナリスト®エース4つの特長

「バナリスト®エース」の開発がスタートしたのは約4年前、ウシオ、ローム、三和化学研究所の3社が連携して開発・実用化を進めてきました。
μTAS測定チップには、ロームの半導体微細加工技術により最小幅100μmの微小な流体回路が刻まれています。この微小流路を血液が循環しつつ血球分離、計量、検査薬混合、廃液溜めの各工程を行なうので、微量の血液で十分測定が可能です。
卓上サイズの小型装置には、ウシオグループのテクノロジーが凝縮されています。光源には、ウシオグループのエピテックスが新たに開発した専用LED(発光ダイオード)を採用。0.6mmの狭い光路に高強度で安定した光線を照射。また、精密光学装置の技術を応用し、毎分3000回転で測定チップの遠心分離を行うと同時に、誤差数十μmという高精度での位置合わせを可能にしました。
さらに、三和化学研究所が、炎症検査試薬や血糖測定システムなどでの豊富な実績を生かして、微量血液で高精度に測定するノウハウを提供、安全・迅速・簡単に検査ができる試薬の開発に取り組みました。
試作器を医療機関などに持ちこんで現場の意見を開発にフィードバックし、改良を重ねて常に安定した測定結果が得られるようシステムとしての完成度を高めてきました。


メタボ検診への対応も

「バナリスト®エース」は、2008年10月30日から国内での販売を開始、CPR(通常濃度用 : 感染症、リウマチ、肺炎などの炎症程度)、CPR(低濃度用 : 動脈硬化、大腸がんなどの微小炎症の程度)、ヘモグロビンA1c(糖尿病の血糖管理マーカー)の3種の測定チップを発売します。微量採血による患者の負担が少ないという特長を生かして、小児科や内科医院を中心に販売を行なっていきます。
今後は、メタボ検診への対応を考慮して、最大10項目の検査ができるように測定チップと試薬の開発・販売を進め、海外への展開も検討していきます。

※メタボ検診:2008年4月から始まった「特定健康診断・保険指導」。40歳以上を対象に、肥満かつ高血糖・高脂血症・高血圧症のうち2項目以上の危険因子をもつ状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)と呼び、該当者や予備軍を検診で見つけて指導を行い、生活習慣病を防ぐもの。


パートナー企業より


ローム株式会社
ナノ・バイオニクス研究開発センター
次席研究員 森 敏博さん

「バナリスト®エース」には、ロームが半導体部品の製造で培った、設計・評価技術やシミュレーション技術、物作りの経験が生かされています。3社での約4年にわたる研究・開発期間を経て、世界に先駆けての発売となりました。今後もウシオさん、三和化学研究所さんと力を合わせて、医療分野に貢献してまいります。

ローム株式会社
昭和33年(1958年)設立。民生機器市場、携帯電話及び通信機器、自動車関連機器をはじめとする幅広い市場分野でシステムソリューションを展開しており、グローバルに展開している開発・営業ネットワークを通じて品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート半導体製品を供給しています。


株式会社三和化学研究所
診断薬事業部
副部長 神谷 鉱二さん

中小病院やクリニックなどでは、操作が簡便で、検査結果が短時間で得られるコンパクトな血液検査装置が必要とされています。「バナリスト®エース」は、そのような医療現場のニーズに応えるために、開発されました。これからもわたしたちは、医療分野における経験・ノウハウを生かし、みなさまの健康づくりに、貢献してまいります。

株式会社三和化学研究所
昭和28年(1953年)設立。医薬品卸スズケンの子会社。「糖尿病治療のベストパートナー企業」として、糖尿病および糖尿病合併症分野へ経営資源を集中させ、医薬品、診断薬、医療食、保健食製品の研究開発と製造販売を行っています。