LTPS

low temperature poly silicon えるてぃーぴーえす

解説

LTPSとは、多結晶の低温ポリシリコンのこと。
従来使われてきたアモルファスシリコンと同程度の温度(500℃程度)で形成することができる。

多結晶シリコンは、非結晶シリコンと比べて電気を通しやすいため、液晶の反応速度が速いという特長がある。また、液晶を制御するためのトランジスタも小型化できるため、液晶の開口部が増え、輝度を上げることもできる。LTPSは、主に液晶テレビに使用されている。

※低温ポリシリコン液晶とは、TFT液晶パネルの一種で、従来のTFTが使用していたアモルファス(非結晶)状態のシリコンの代わりに、多結晶シリコン(ポリシリコン)を使用したものを言う。
「低温」という文字がついているのは、初期のポリシリコン液晶には、パネルを1,000℃以上の高温に加熱してポリシリコンを生成するものがあったためで、低温ポリシリコン液晶では、アモルファスシリコンと大差のない温度(500℃程度)でポリシリコンを生成できるようになっている。
液晶パネルに使われているガラスは、1,000℃もの高温には耐えられないため、従来のポリシリコン液晶では、高温に耐える特殊なガラスを使用する必要があった。これに対して、低温ポリシリコン液晶では、アモルファスシリコン液晶と同様のガラスを使用できるため、製造コストを安く抑えられる。
低温ポリシリコン液晶は、携帯電話などのモバイル機器を中心に実用化が始まっており、将来的に、大型液晶ディスプレイにも搭載することを目標に研究が続けられている。