偏光立体方式(立体映像の)

passive stereoscopic viewing へんこうりったいほうしき(りったいえいぞうの)

解説

偏光立体方式とは、立体映像(3D)の表示方法の1つで、特殊な偏光フィルタ(円偏光、直線偏光)のメガネで立体視を実現する方式のこと。
立体映像を参照。

+O114F113:M114F113:M113

プロジェクタでこの方式を実現する場合は、2台使用し、コンピュータ、映像サーバ、ビデオ、BluRay等から、視差を変えた左右の映像を個別に2台のプロジェクタに送出し、1台のプロジェクタからは「右目の映像」を、もう1台のプロジェクタからは「左目の映像」を同時にスクリーン上に投影する。この時点では、左右の映像がスクリーン上でズレた映像として視認されるだけで、3Dには見えない。そこで、2台のプロジェクタのレンズの前に特殊な偏光フィルタ(円偏光、縦横偏光など)を取り付け、さらに右目と左目に同じ偏光フィルタを取り付けた3Dメガネを装着する。これによって、3Dメガネをかけた被験者は、右目には右目だけの映像を、左目には左目だけの映像を見ることとなり、立体視が可能となる。
PCモニタやテレビの場合は、縦の1ライン毎に左目用、右目用の偏光フィルタを貼り付け、3Dメガネを使用して、立体視が可能となる。縦方向の解像度は半分となる。

下図のように、1台のプロジェクタで偏光立体方式を実現することも可能である。時分割立体方式のプロジェクタのレンズの前に偏光シャッタ(Passive Modulator)を置く。偏光シャッタは、偏光シャッタの左目用偏光、右目用偏光をコンピュータの同期信号に合わせて切り替える。これにより、左目用の映像と右目用の映像が交互に表示されるが、左目用の映像は左目用の偏光フィルタを通して、右目用の映像は右目用の偏光フィルタを通して見ることができ、立体視の映像となる。
偏光立体方式は、3Dメガネが比較的低価格であることから、映画館やアミューズメント施設などで利用される場合が多い。ただし、スクリーンの反射効率を高くしなければ、偏光が解けて正しい立体表示ができないことから、スクリーンをシルバーにするなど、高ゲイン型が必要である。

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Mirageシリーズは1台で立体視が可能。その他にSolariaシリーズもある。3D映画ブームに伴い、大手シネマコンプレックスでは、立体視対応のデジタルシネマプロジェクタの普及が進んでいる。また、大学や研究機関、製造業界などでも3D映像のニーズが増え、これらのプロジェクタが数多く採用されている。