紫外線治療器

ultraviolet phototherapy device しがいせんちりょうき

解説

紫外線治療器とは、紫外線が持つ免疫抑制作用を利用して、乾癬や白斑、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹などの皮膚疾患を治療する医療機器のこと。

紫外線は免疫細胞を減少・不活化させ、免疫力を落とす効果がある。自己免疫疾患に罹患した皮膚では免疫細胞が過剰に働いているため、皮膚の表面に紫外線を照射し、活動を沈静化させる。

※紀元前より紫外線を用いた皮膚治療が行われていたが、1953年、Lernerによってソラレン(Psoralen)の主成分8-MOP(8-Methoxypsoralen)と紫外線が白斑に有効であることが明らかとなり、1970年代初頭には、ソラレンと紫外線のUV-AによるPUVA(プーバ)療法が普及した。その後、自己免疫細胞を抑制するためにブロードバンドUV-B治療が行われ、更に、それを進化させた311nmのを主に放射するナローバンドUV-B治療が行われた。現在では、エキシマランプによる308nmエキシマ光治療が注目されている。
エキシマ光治療は、上記のほか、REM症候群や掌蹠膿疱症など、希少な疾患にも広がりをみせている。