気候変動への対応

地球温暖化対策は、経営フォーカスとしての重要課題の一つとして2030年の目指す姿を描き、バックキャスティングにより短期、中期の目標を設けて取り組みを行っています。

2030年の目指す姿

気候変動について想定されたリスクがマネジメントされ、機会となるビジネスに参入できている。事業の環境負荷を少なくするために、SBT(science based targets)のCO₂排出量目標が達成され、事業所から排出するCO₂が削減できているとともにCO₂の排出量の少ないグリーン製品の開発と顧客提供の体制が整っている。

地球温暖化は各方面に様々な影響を及ぼします。その一つに気候変動への懸念があります。一企業集団であっても自然災害によるビジネスへの影響を回避し、持続的に発展するためにも、対策を重要事項と捉え推進しています。
 

気候変動に対する取り組みは、3つのテーマで推進しています

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応

ウシオでは気候変動が自社の持続的成長に影響を与えることを認識しています。そこで、その影響を明確にするとともに透明性を高める必要があると考え、TCFDへの賛同をしています。今後、TCFDの提言に基づき、気候変動がウシオの事業に及ぼすリスクと機会を分析し、経営戦略に反映するとともに、関連する財務情報・経営情報の開示を進めていきます。
 

事業所から排出するCO₂削減(SCOPE1、2)

気候変動のリスクとして、エネルギーの使用によるCO₂排出量に対する規制が強化され、これに対応するためのコストが増加すると見込んでいます。そこで、ウシオではCO₂の排出量を削減します。具体的には再生可能エネルギーの目標を設定し、計画的に導入を進めています。太陽光発電設備の導入や、安価な再生可能エネルギーの調達など多様な手段で最適な方法を選択していきます。例えば御殿場事業所やウシオフィリピンなどで太陽光パネルを設置したほか、CO₂排出量の一番多い播磨事業所では2022年度より全ての電力を再エネプランに変更しました。今後も国内の事業所で再エネ導入を進めていきます。そのほか、空調の省エネ、照明のLED化など省エネ活動も継続的に取り組んでいます。
事業所から排出するCO₂削減(SCOPE1、2)については、SBT目標を設定し、長期での削減計画を策定しています。SBT目標では2017年度比で21%の削減を目指して参りました。2020年11月にはこれを見直し、2℃レベルから2℃を大幅に下回る目標として、2017年度比で33%の削減としました。しかし、2018年にIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が発表した「1.5℃特別報告書」や2021年11月のCOP26での議論、そしてSBTの認定基準改定やネットゼロ目標を勘案し、2017年度比2030年45%削減、2050年カーボンニュートラルへと目標を引き上げました。

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環境配慮型製品の開発によるCO₂削減(SCOPE3)

ウシオでは、省エネルギーに寄与する環境配慮型設計や開発を推進し、あらゆる事業活動によるCO₂排出を削減します。それにより、積極的に気候変動への影響を低減させています。
具体的には、ウシオ独自のスーパーグリーン製品の認定基準の一つとして省エネルギーの項目を入れているため、認定製品の販売促進により省エネルギーへの貢献も継続的に進めることができると考えています。
また、気候変動を新たなビジネスチャンスととらえ、気候変動下で想定される、安定的な食料調達の要求の高まりに応えるために、植物工場の開発にも携わっています。

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また、これらテーマ以外でも気候変動に起因したBCP視点での取り組みを進めています。世界各地での異常気象に伴う洪水や干ばつ、火災により工場が操業できなくなったり、サプライチェーンの操業停止や資材調達リスクが顕在化しています。そこで、このリスクを低減するため、生産の分散や資材調達においてもBCPの視点を取り入れるなど、戦略的な対応を行っています。