印刷用UV-LEDシステム「UniJet」シリーズの導入事例(タニダ株式会社様)

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排熱が極めて少なく排気ダクトも不要なため、オペレーターの作業環境が向上

 

シール・ラベルをはじめ、マスキングテープなどを製造しているタニダ株式会社は、多品種小ロットかつ短納期への対応を目的に、ユーザーのニーズにマッチした生産体制の構築を推進されています。さらに今年からは、ウシオのUV-LEDシステム「UniJet i」シリーズをラベル印刷機に搭載。エネルギーコスト削減と生産現場の作業環境向上にも、力を注いでいます。
 

従来のプロセスカラーインキだけでなく、白インキも毎分150ショットで硬化

 

同社は、キャラクターやファンシー、文具関連をはじめ、食品や工業、さらには偽造防止用途などのシール・ラベル製造を幅広く手がけており、フルカラーかつ高付加価値な製品の生産体制を確立。特に近年は、これまで培った技術ノウハウを生かし、主力のファンシー・文具分野から他分野へ展開することで、売り上げ向上に努めています。

また、印刷機は、作業の効率化および受注内容に即した仕様への変更を目的に、定期的な入れ替えや改良を行っており、昨秋、既存の印刷機にウシオのUniJet iシリーズを搭載し、テストを実施。良好な結果が得られたことから、今年4月に本格採用となりました。

「4~5年ほど前から、省電力化を実現するといったメリットを把握してはいたものの、システム本体のイニシャルコストが高く、また従来のUVインキではなく高感度タイプのインキを各メーカーが推奨していたこともあり、導入を控えていた。そのような中で昨年、オフセット間欠機のUV装置が故障し、メンテナンスを依頼した際、インキメーカーを通じてウシオのシステムを提案された。早速テストで搭載したところ、プロセスカラーだけでなく白インキも毎分150ショットで硬化するといった結果が得られたため、設備導入を決断。1灯をUV-LED化した」(同社業務部の阿式良信部長)。

印刷オペレーターの作業環境が向上

 

実際に導入して、特に高い効果が得られたと感じる点は作業環境の向上(阿式部長)。本社工場内で、オフセット間欠機が設置されている箇所は、空調やUV排気ダクトなどが設備されていますが、近年の日本は夏場の気温が上昇しており、作業環境として厳しい状況にあります。とりわけ昨夏は、同社がある山陰地域でも例年を越える高温状態で、できる限り空調コントロールを行っても、高温化を避けることができず、結果として印刷オペレーターの作業負担となるケースが生じていたとのこと。

これに対して、UV-LEDシステムはメタルハライドランプなど従来のUV装置と比較して排熱が極めて少ないため、空調の効果が向上。

「空冷方式にもかかわらず排気ダクトが不要なので、印刷機周辺のレイアウトがすっきりし、オペレーターの作業がしやすいといったメリットも得られた。既設印刷機のUV装置を外してUniJet iシリーズを搭載したが、設置スペースにも収まるなど小型といった点も魅力。また当初『UV-LEDは出力が弱い』とのイメージを持っていたが、UniJet iシリーズは、既存のUV装置と比較してもそん色のない高出力であることが確認できた。

さらにノウハウを蓄積することで、高いレベルでの印刷が可能になると確信しており、今後もユーザーニーズへのさらなる対応はもとより、作業環境の向上や環境負荷軽減に貢献する企業としてのサステナビリティ推進を目的に、最適な設備投資を図りたい」(阿式部長)。

※ラベル新聞社の記事より一部抜粋・編集しています