当社グループは企業理念に掲げた目指すべき姿を実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上が、すべてのステークホルダーの満足につながると認識しています。これを実現するために、企業経営の透明性と効率性の確保、また迅速・果敢な意思決定を実現するコーポレートガバナンスの強化に努めています。
当社は、監査等委員会設置会社の体制を採用しています。
この体制の採用は、重要な業務執行の一部の決定を、業務執行を担う取締役へ委任することによる意思決定の迅速化を推進する一方で、取締役会の過半数を社外取締役で構成することにより監督機能を強化するとともに、取締役の職務の執行の適法性及び妥当性を監査する権限を有する監査等委員会を設置することにより監査・監督機能の強化を図るためです。
取締役会については、取締役(監査等委員である取締役を除く。)9名(うち社外取締役5名)と監査等委員である取締役3名(うち社外取締役2名)の計12名で構成され、経営の基本方針等の最重要事項に関する意思決定および業務執行の監督を担っています。
業務執行については、重要な業務執行の一部の決定を業務執行を担う取締役へ委任することにより意思決定の迅速化を推進するとともに、執行役員制度により確実かつ迅速な業務の執行体制を構築しています。また、経営協議会、グループ経営協議会を設置し業務執行に関する重要事項の審議・報告を行っています。
監査等委員会については、監査等委員である取締役3名(うち社外取締役2名)で構成され、監査等委員会の定める監査等委員会監査等基準に従い取締役の職務執行状況についての監査等を行っています。なお、取締役(監査等委員である取締役を除く。)および使用人からの情報収集、ならびに内部監査部門および会計監査人との連携を円滑に行い監査等の実効性を高めるため、常勤の監査等委員1名を選定しています。
当社は、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」への対応をし、コーポレートガバナンスの強化を図っています。現在、原則実施を行っていない「取締役会の実効性の分析・評価結果の概要の開示」についても、今後の検討課題として認識しています。
詳細は、コーポレートガバナンス報告書をご覧ください。
米田監査等委員のメッセージ
取締役監査等委員として心掛けていることは「みずからの経験と信念・哲学を臆さず語る」ということです。監査等委員の職務を遂行するうえで最も大切にしていることは、現場監査を担当する内部監査部門との緊密な連携です。判断材料の提供者である内部監査部門の情報収集力と情報発信力を更に強化するため、要員体制の増強や監査環境の整備・改善等にも意を尽くし、その実現に取り組んでいきたいと考えています。
一方、ウシオ電機に対して最も期待していることは、新たに策定され、公表された新中期経営計画(2017年度~2019年度)の目標達成に向けての取り組みです。計画達成に向けての会社施策を全部門・全社員が一丸となって取り組む中で、コミットメント意識や当事者意識の浸透・定着状況等を今後の監査活動の中で確認していきたいと考えています。
山口監査等委員のメッセージ
2016年6月に監査等委員会設置会社に移行して1年が経過しました。その後、企業戦略等の方向性に対する活発な議論、また独立した社外取締役からの客観的な立場での、経営陣並びに取締役に対する実効性の高い監督が可能となりました。同時に変革のスピードが確実に増していると実感している所です。
監査等委員会としては各執行部門の業務執行の妥当性、実効性の監査を基本とし、内部監査部門との連携により現場各々がウシオグループの企業理念に基づいた行動を行っているか等の検証を実施しました。同時に経営陣をはじめ、社内各部門および子会社へのヒヤリングを定例的かつ必要に応じて適時実施しております。
私は取締役監査等委員として、内部統制の機能性チェックにとどまらず、全ての経営陣が課題認識を共有するように努めます。今後ウシオグループが、「光」の持つ可能性を最大限引き出し、社会になくてはならない「光企業」として一層飛躍することを期待しています。
報酬体系としては、役位に応じた基準額および業績・職務評価に応じて決定される額から構成される金銭報酬および株式報酬により構成されています。なお、これらの報酬に係る取締役会決議にあたっては、あらかじめ報酬の体系および水準ならびに業績への貢献度評価について公平性および妥当性を確保する観点から委員長および半数以上の委員を社外取締役で構成する報酬諮問委員会の審議を経ることとしています。
役員区分 | 報酬等の総額(百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数 | ||||
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基本報酬 | ストックオプション | 賞与 | 役員向け株式報酬 | 退職慰労金 | |||
取締役 (監査等委員、社外取締役を除く。) |
271 | 249 | - | - | 21 | - | 8 |
取締役(監査等委員) (社外取締役を除く。) |
20 | 20 | - | - | - | - | 1 |
監査役 (社外監査役を除く。) |
7 | 7 | - | - | - | - | 2 |
社外役員 | 51 | 51 | - | - | - | - | 10 |
内部監査部門は、業務管理や業務手続の妥当性などの監査を実地での監査を基に行っており、監査等委員会に対して年間の監査計画書を提出して具体的な監査方針を説明するとともに、内部監査結果の報告を適宜行います。
会計監査人は、監査等委員会に対して年間の監査計画書を提出して具体的な監査方針を説明するとともに、四半期・期末決算における四半期レビュー・会計監査の際にはレビュー・監査結果の要旨の報告を行います。
監査等委員会、内部監査部門および会計監査人は、情報交換、意見交換を実施し、相互連携を図っています。
当社は、全社員が法令、定款および当社の企業理念を遵守した行動をとるための行動指針として「私たちの行動指針10」を定め、その徹底を図るため「コンプライアンス委員会」を設けています。「業務監査室」は「コンプライアンス委員会」と連携の上、状況を監査し、適宜「取締役会」および「監査等委員会」に報告します。さらに、取締役の職務執行に係る情報は文書または電磁的媒体に記録・保存、管理します。取締役が常時閲覧でき、適時適応できるようにしています。
また、コンプライアンス意識の醸成を図るため、グループ各社に当社の行動指針などを共通で準用・活用し、「業務監査室」がグループ会社の監査を実施しています。
当社は、リスク管理規程においてコンプライアンス、環境、品質、財務、法務、災害、情報および輸出管理などのリスクの種類ごとに責任部門を定め、各責任部門において規則やガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成や配布などを行うものとし、新たに生じたリスクについては速やかに対応責任者となる取締役または執行役員を任命することを定めています。また、リスクが現実化し、重大な損害の発生が予測される場合は、担当取締役ないし執行役員は速やかに取締役会に報告することとしています。
当社が事業を推進していくために保有している情報は、お取引先さまに関する情報、個人情報、営業機密などの重要なものであることを認識し、情報の取り扱いに必要なルールを定め、自社、お取引先さまを問わず、秘密情報を適切に保護することを義務づけ、徹底しています。また、個人情報保護法の遵守も重視しています。
運用面では遵守意識の向上と効果的な運用を図るために、運用状況の評価を部門が自己診断し、継続的に改善していくサイクルについての取り組みを全社に展開しています。具体的には、入退室管理と就業管理を併せて行えるよう、ICカード式入退室管理システムを導入し、重要な区画へのアクセスの制限や記録を行い、重要な情報への不適切なアクセスを防いでいるほか、デバイスセキュリティー(端末制御)強化を行い、指定されたデバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)以外からの不適切なアクセスを防ぐことにより、情報漏えいリスクの低減を図っています。また、プログラム資産管理、コンピューターウィルス対策をサーバ集中管理し、管理負荷を抑えつつ強化を図っています。さらに、お取引先さまからお預かりした秘密情報については、取得から保管、廃棄に至るまでの取り扱いを規定し、定期的にチェックする運用を行い、これらのセキュリティー施策の状況に関するお取引先さまによる実地確認を機に、対策の整備状況と運用状況の見直し・強化を図っています。