高周波デバイス向けRoll to Rollエキシマ照射装置を開発

5GやBeyond 5Gに向けた通信デバイスの高周波化に対応

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 内藤 宏治、以下 ウシオ)は、フレキシブルプリント基板への高周波対応基材/難接着性基材の接着力向上に最適な、インライン対応を可能にした高周波デバイス向けRoll to Rollエキシマ照射装置の開発に成功したことをお知らせします。
なお、本製品は2022年度中に販売開始の予定です。

5Gに代表される「高速」「低遅延」「多数接続」な通信環境は、CPS(Cyber Physical System)の進展に重要な要素で、今後も技術革新が求められています。通信デバイスにおいても同様に、高周波対応のための部材/製法の検討が行われていますが、課題として以下のような部材間の接着性があります。


■伝送損失を減らすために低誘電材料を採用した場合
誘電正接(tanδ)/比誘電率(εr)が小さいほど、接着性が悪化
■従来のアンカー法から低粗度での接着に変更した場合
低粗度/平滑化すると伝送損失は小さくなるが接着性が悪化


そこで、これらの接着性の課題を解決するために、ウシオは世界で初めてエキシマランプを商品化したノウハウや自社の各種製造プロセス向け装置における光学設計技術を活かし、フレキシブルプリント基板への高周波対応基材/難接着性基材の接着力向上に最適な高周波デバイス向けRoll to Rollエキシマ照射装置の開発に成功。液晶用ガラス基板の表面洗浄・改質用途で長年実績のあるエキシマランプを使った「大気圧で使用可能」「ドライ処理」「高速処理」といった特長により、基材表面を粗化することなく、従来工程に後付けでインライン処理を可能としました。

ウシオは今後も5GやBeyond 5Gに向けた技術革新を「光」で実現していきます。

なお、本製品は12月15日~17日まで東京ビッグサイトで開催される「Semicon Japan 2021(ブースNo.2038)」でパネル展示をします。


【製品の特長】
・基材ダメージが少ない

-エキシマ光による処理の為、基材最表面だけを改質することで、伝送損失の要因となる基材粗化を起こさずに、接着力を向上 
-高い光源/雰囲気制御技術により、均一性の高い処理が可能

・従来工程への追加搭載/インライン処理が可能
-大気圧処理/コンパクト設計により、従来工程への追加搭載/インライン処理が可能。これにより、生産性の大幅な向上を実現
-ドライ処理のため、リンスや乾燥工程が不要
-液晶用ガラス基板の洗浄・改質用途で長年実績のある当社製エキシマランプ「HP-V」シリーズを対向設置することにより、省フットプリント/Roll to Rollでの高速両面処理を実現

・環境に悪影響を与えない
-廃液が不要であり、薬液/廃液コスト/環境負荷の低減
-完全水銀フリー
-CF4などの温室効果ガスやNH3などの特殊ガスが不要

・安定生産が可能
-照度測定による工程管理が可能。これにより、条件出しの簡便化/安定生産を実現



【製品外観】


【実験データ】



 
 

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