サプライチェーンマネジメント

お取引先さまとは、互いの立場と権利を尊重し合いながら国際社会の中で企業活動、社会に貢献するべくともに発展し、永続的な取引に努めてまいります。

購買基本方針

ウシオグループでは、「私たちの行動指針10」の中で、取引を行う場合には常に相手の立場と権利を尊重し、公正・公平な姿勢をもってあたり、優越的地位を利用して不当な条件を押しつけたりしないこと、また腐敗防止に努め、社会通念に照らして適正な取引を行っていくことを約束しています。

法律、社会規範の遵守
法律、社会規範を遵守し、契約上の義務を誠実に履行し、取引先保護法令等および健全な商習慣に則った取引を行います。
取引公平な機会
新規取引に際しては公平な機会を提供し、公正で客観的な判断に基づき決定します。
取引の決定は、品質・価格・安定供給・納期対応・技術開発力ならびに経営安定性・環境配慮・社会貢献、CSRの取り組み状況などを総合的に判断し、定められた手順に従って実施します。
信頼関係の構築
取引では、対話に基づく相互理解により常に信頼関係を維持し、発展させ永続的な取引に努めます。
環境対応購買
環境に関する国際規格、法令、協定、指針、顧客基準、ウシオ自主基準を遵守し、グリーン調達を行います。
機密保持
会社、調達取引先および第三者の秘密情報を、所定の手続を経ないで開示、漏洩しません。調達活動において、不当な手段を用いて調達取引先あるいは第三者の秘密情報を取得しません。
調達活動
調達活動は、所定の教育・指導を受けた購買担当者により調達部門が実施します。

調達先選定基準

調達先選定基準

CSR調達方針

ウシオは、ESG経営を推進し、課題克服に取り組んでいくとともに、オープンで自由な企業活動を通じて、国際市場において優れた製品、サービスを提供することにより、企業の社会的責任を果たします。
調達活動においては、共存共栄の精神の下、法令、社会的規範および環境保全に配慮すべく、下記6項目をウシオCSR調達方針として定めます。
また、お取引さまのサプライチェーンにおいても、ウシオCSR調達方針をご理解の上、調達活動を行っていただけますよう、お願いいたします。

人権ならびに労働安全衛生
多様な個性と価値観を受け入れ共働する社会を目指し、すべての人々の基本的人権を尊重します。
※具体的には、児童労働禁止、強制労働禁止、あらゆる差別禁止、団結の自由の権利の尊重、団体交渉権の尊重、
過剰労働時間を削減すること、最低賃金を上回ること、健康および安全に関する取り組みです。
貴社におかれましても法規制を遵守すると共に、人権ならびに労働環境及び安全衛生の整備をお願いします。
調達においても、サプライチェーンにおける人権ならびに労働安全衛生を考慮してください。
環境への配慮、グリーン調達
持続可能な社会を実現する為、環境保全と資源の有効活用に取り組むと共に、環境に配慮した製品を社会に提供します。
※環境保全とは、生物多様性の保全、気候変動に大きな影響を持つとされる温室効果ガス(CO₂等のGHG)の削減、
廃棄物の削減、土壌・大気・水質の汚染の防止などのことです。
資源の有効活用とは、水資源の削減、資源の節約などのことです。
貴社におかれましてもエネルギーや水資源の効率的な使用、CO₂排出量の削減、廃棄物削減、汚染防止など環境負荷削減、並びに、生物多様性の保全への取り組みにより環境マネジメントの実施をお願いします。また、製品含有化学物質管理を行い、法令(基準・規格)に適合した部材の供給をお願いします。関連して、ウシオはグリーン調達基準を制定しておりますので、遵守くださるようお願いします。
製品安全性の確保
国際市場において競争力があり、良質で安全な製品・サービスを提供します。
貴社におかれましても、常に品質の維持向上、研究開発に努めてください。
BCP(事業継続)
安定した供給は重要な社会的責任であると認識しております。
従って、安定した供給が出来ない状況を想定して事前に予防をする、また、そのような状況が生じたときでも早期に復旧することが重要と考えております。
貴社におかれましては、BCP体制の構築に努めるようお願いします。
大規模な災害発生などにおいても重要な業務を中断させず、できるだけ早期の復旧を図るためのBCP(事業継続計画)の作成をお願いします。
またお取引さま自身のサプライチェーンの把握、安定供給に向けた自主的な取り組みをお願いします。
公正・公平な取引、法令順守
社会規範を尊重し法令を順守する会社とお取引を行います。
また、お取引先さまの立場と権利を尊重し、健全で公正・公平な取引を行い、相互協力、信頼関係を構築します。
貴社におかれましては、法律を適切に理解し、法改正など社会的変化にタイムリーに対応できる体制を構築し、健全な企業経営に努めるようお願いします。

※具体的には、公務員への接遇管理、不適切な利益授受(賄賂)の防止、談合・カルテル・優越的地位の乱用などの不公正な取引の防止、反社会的団体との関係排除、第三者の知的財産の無断使用や著作権の保護、インサイダー取引の禁止、利益相反行為の禁止など、すべての腐敗防止に関する取り組み、公正・公平な企業活動の推進に関する取り組みです。

※取引の決定は、定められた手順に従って上記を含め各取り組み状況などを調査・確認し総合的に判断します。

情報セキュリティ
近年、情報についての有用性、重要性が増しており、社会的責任が増してきています。
事業活動上で取り扱う個人情報、企業情報などの情報資産を、漏洩や改ざんなどの脅威から確実に守ることが最重要課題と考えています。さらには、情報は価値を生む資産、企業価値を高める源泉という認識に基づき、社員の情報セキュリティ意識の向上、リスク管理など体制整備を推進しています。

貴社におかれましても、情報管理体制を十分に構築し、第三者への機密情報の漏洩防止に努めてください。

 

以上

※は補足説明です。

CSR調達方針は必要な言語(契約時の言語等)での提供を行います。
CSR調達方針は、ウシオ電機環境方針に基づきます。

CSR調達への取り組み

ウシオは企業理念にあるように、ESG視点での取り組みを行ってきています。ウシオグループのお取引先さまとは、これまで環境対応に加え、近年重要性を増している人権への配慮といったCSR調達をサプライチェーン全体で進めています。これまでの環境行動計画ではCSR調達調査を定期的に実施できる体制を構築し、お取り引き先さまへの説明、調査の実施、評価結果のフィードバック、評価に基づく監査や教育・指導など対話によるCSR対応力の向上を図ってきました。グループ各社・各事業所と連携しサプライチェーン全体のCSR調達方針に対する理解・浸透を図る活動を展開しています。

マテリアリティとして2021年度からは、CSR調達調査の定期的実施と対話については引き続き重点課題として取り組みを継続していきます。それに加え、更なる向上・発展を目指してCSR調達調査の評価基準を見直すとともに回収率やリスクに関するKPIを設定し、グループへ拡大実施していきます。また、調達でできる環境の取り組みとしてSCOPE3カテゴリ1(購入した製品・サービスのCO₂排出)の算定などもテーマアップしCSR調達に尽力してまいります。

CSR調達に関する計画と実績

計画 達成状況※ 実績
2022年度
ウシオ電機国内生産拠点のCSR調達調査でのD,Eランク率目標5%以下
D,Eランクのお取引先さまを訪問などを通してCSR調達の状況を聞き取り、指導することでランクアップを目指す
D,Eランクのお取引先さまを訪問などしてCSR調達の状況を聞き取り、指導した結果、D,Eランク率4%に低減
Cランクに届かなかったお取引先さまもレベルアップ
CSR調達調査表の改善
次回CSR調査実施に向け、設問等の見直し実施
次回CSR調査実施に向け、設問等の見直しを行い、調査内容を決定
2023年度
ウシオ電機国内生産拠点のCSR調達調査でのD,Eランク率目標5%以下維持
D,Eランクのお取引先さまの状況再確認
CSR調達調査準備
次回CSR調査実施に向け、実施方法の検討
中長期目標
環境影響の少ないサプライチェーンを実現
部材のCO₂削減
お取引先さま(物流含む)へのSDGsを意識したCSR調達実施

※◯:達成、✕:未達

CSR調達調査結果

既存サプライヤーへのリスク評価は、播磨事業所および御殿場事業所では継続してお取引先さまを対象としたCSR調達調査を実施しております。
2020年度は、新たに京都事業所も加え、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)にて策定された「CSR 調達セルフアセスメント質問表」を用いてお取引先さまのCSRの取り組み状況を確認いたしました。前回2017年の結果よりすべての項目においてレベルアップしています。お取引先さま各社においてCSRが浸透し、理解が進んだ結果と考えております。CSR調達セルフアセスメント調査には9項目があり、「環境」、「社会」に関する項目が含まれております。評価方法は、CSRの取り組み状況をA~Eの5段階で、当社が評価を行います。Cランク以上を合格とし、Dランクはリスクがあり改善を要するお取引先さま、Eランクはリスクが高いため継続的取り引きすべきでないお取引先さまと定義しています。D、Eランクのお取引先さまはフォローアップ対象としています。2020年度の結果は、D、Eランクで43社でした。当社では、今後取引きを継続するお取引先さまを対象として、2021年度は14社のフォローアップを完了し、2022年度は11社のフォローアップを実施しました。ウシオは、CSRへの取り組みが不足しているお取引さまと対話を継続することにより、相互のレベルアップを進めています。また、2021年度からグループ各社でCSR調達調査を開始しました。2023年度は2020年度のCSR調達調査の結果でDEランクであるお取引先さま、および新規で取り引きを開始したお取引先さま合計71社へCSR調達調査の依頼を行いました。

新規サプライヤーの選定にあたってはデューデリジェンスを行っています。具体的にはISO14001の取得有無、弊社グリーン調達基準への理解および化学物質の使用についての評価など、環境管理システム構築状況についての確認を行っています。また、ここで腐敗や贈賄の事実が確認された第三者とは取引を行いません。

CSR調達に関するお取引先さま各社自己評価結果(前回2017年度と2020年度の比較)

CSR調達に関するお取引先さま各社自己評価結果(前回2017年度と2020年度の比較)

製品含有化学物質管理システム(CMS)

近年、REACH規則など対象化学物質が増加しており、その他の規制も含め市場の要求や変化のスピードはますます加速し、お取引先さまへの負担も激増しています。そこで、ランプ製品や部品点数の多い装置類においても、効率的に調査を進めていくため化学物質の含有調査にデータベースを使用してデータ管理を行っており、さまざまな含有化学物質の規制に対応を行っています。
企業の活動がグローバル化する中で、生産の海外移管などに伴い、お取引先さまもグローバルになっており、世界に展開している生産拠点に於いてchemSHERPA(ケムシェルパ)での含有化学物質調査・回答を行っています。

紛争鉱物への対応

ウシオグループでは、ランプの電極やフィラメントなどの部材にタングステンやタンタルなどを使用しています。そのため、ウシオの事業活動に関わる人権問題において、重要度の高い人権を確認するにあたり、使用材料に関わる人権問題(児童労働、強制労働)が重要課題と特定致しました。そこで、「紛争鉱物に対する基本方針」を制定し、グループ内ならびにお取引先さまに対しても紛争鉱物の使用を制限しています。さらに紛争鉱物の使用状況を調査し、お客様に調査結果(RMI/CMRT)を報告しています。

ウシオではお取引先さま各社の紛争鉱物の使用状況について確認し、随時情報を更新しています。これまでは、該当するお取引先さまにおける紛争鉱物の使用の有無について確認を行ってきましたが、2015年度からは鉱山ならびに精錬所にまで確認の範囲を拡げています。

(紛争鉱物)

紛争鉱物とは、紛争地域において産出され、鉱物を購入することで現地の武装勢力の資金調達につながり、結果として産出地域の紛争に加担することが危惧される鉱物の総称です。米国証券取引委員会(SEC)による金融規制改革法の紛争鉱物条項に基づき、米国の証券取引所に上場している企業などに、コンゴおよび近接諸国で産出された紛争鉱物(タングステン、タンタル、金、スズ)の製品への使用に関する開示と報告が義務づけられています。

【紛争鉱物に対する基本方針】
コンゴおよび周辺紛争地域で産出される武装勢力の資金源となる紛争鉱物(タングステン、タンタル、金、スズ)を使用しない。
仕入先にウシオ方針を伝え、必要な調査を実施する。
紛争鉱物の使用が明らかになった場合は購入を中止し是正を行う。

2024年4月1日

ウシオ電機株式会社
代表取締役社長
朝日 崇文

※RMI/CMRT=Conflict Minerals Reporting Template(CMRT)は、Responsible Minerals Initiative(RMI)によって開発された無料の標準テンプレート

サプライチェーンにおけるESG

ウシオでは、「ウシオグリーン調達基準」においてお取引先さまにISO14001や「エコアクション21」などの環境管理システムの構築をお願いしています。ウシオではお取引先さま各社の環境への取り組み状況の調査を適宜実施させていただいております。また、環境負荷低減および地域経済発展のために、現地調達を推進します。対応力の優れたお取引先さまを優先して取引を行うことで、サプライチェーン全体での環境保全活動の維持・向上を図っています。

継続的に実施中のCSR調達アンケート調査においても、事業所活動による汚染の回避、資源エネルギーの有効活用、温室効果ガスの排出量削減、廃棄物削減についての取り組み状況を自己評価していただいており、全体集計結果と各社さまの位置づけをご確認いただくことで、お取引先さまの啓発に努めています。

各お取引先さまの事業活動における人権尊重(児童労働および強制労働の防止、差別の禁止と機会均等、団結権および団体交渉権の認可、過度の労働時間の排除、賃金水準の維持、安全衛生の維持など)の取り組みについて、ウシオのホームページや定期的なアンケート調査を行うとともに、資料を配布するなど教育を行っています。

業界団体内での企業連携におけるイニシアティブ貢献

ウシオは2010年10月に国連グローバル・コンパクトに署名し、10原則への支持を表明しました。グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)のサプライチェーン分科会に参加、CSR調達活動のあるべき姿を追求する活動をしました。その成果として、2013年には参加企業とともに「サプライチェーンにおける望ましいCSR活動のあり方」(提言書)を発行しました。

「サプライチェーンにおける望ましいCSR活動のあり方」
「CSR調達入門書-サプライチェーンへのCSR浸透」
「CSR調達 セルフ・アセスメント・ツール・セット」

お取引先さまとの関係構築

ウシオでは法規制の改正や基準改定などのタイミングで、適宜お取引先さまへの説明会を開催しています。ウシオのグリーン調達基準の改訂では、法規制の改正に伴って改めて基準を見直したこと、お取引先さまにご確認いただく化学物質の追加について説明を行いました。またCSR調達では、ウシオのCSR調達方針、CSR取り組みアンケートの実施について説明しています。

お取引先さま各社には、ウシオ調達活動の説明会やアンケートなどを通じて、ウシオがCSR調達を進める意義、お取引先さまとの関係強化を通じて相互にCSRの取り組みを発展させるメリットについてご理解をいただくとともに、お取引先さまと「目指すべきCSRの状態」を共有することを通じた普及・啓発の活動を行っています。

一方、CSR調達への取り組みが不足しているお取引先さまに対しては、必要に応じて面談や監査ならびに改善事項の提示を行うなど、お取引先さまとともにCSR調達の取り組み改善を図っています。こうした活動を通じて、CSR調達をより効果的かつ効率的に進められるよう、お取引先さまとの関係の構築に努めています。

ウシオのお客さまは全世界に拡がり、ウシオの製品は世界中に出荷されています。また、生産や調達においても海外との取引はいまや日常となっています。厳格な履行が求められる輸出入管理や各国の法規制に対応するため、海外各社・各事業所のお客さまからの環境についての要求やお問い合わせに迅速に回答する必要があります。そこで播磨事業所と海外各社・各事業所とで共同チームを編成し、海外各社・各事業所の環境対応のレベル向上を図っています。

社内調達部門への教育プログラム

調達業務に携わる担当者に対しては、「購買心得」の習得のほか、下請法、環境規制、外為法などについての必要な教育プログラムを実施し、適正な取引を実施するとともにお取引先さまとの良好な関係維持を図っています。

具体的には、調達業務に関わる社員全員に対し、下請法についての勉強会や内部監査を実施し、常に適正な取引が行われるよう取り組んでいます。さらに「お取引先さまと一緒に考え、行動する」ことを基本理念に置き、納期の遅延や品質に関わるトラブルが発生した際には、お取引先さまと一緒にトラブルの原因究明やその対策を行うなどの取り組みを行っています。こうした活動の結果、納期遵守率改善などの効果が生まれています。