LCAの取り組み

製品LCA情報

産業用から照明、ビジネス分野まで幅広い分野で使われるウシオグループの製品は、そのライフサイクルの広い局面で環境負荷を作り出しています。その全体像をライフサイクルのステージごとに、数値で把握し、環境に配慮した各種対策を講じることで、社会全体の環境負荷を低減する努力を続けています。このように環境を通じて社会に貢献しようと取り組んでいるウシオグループの環境配慮に対する取り組みの一端として、オフィスや一般家庭などでも使われることが多い、プロジェクタに搭載される放電ランプおよびその点灯電源のLCA評価結果を示します。これらの評価結果は製品設計、製造工程の改善、社内の環境教育等に活用されています。

※LCAとはLife Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略で、原材料調達から製造、使用、リサイクル、そして最終的な廃棄処分にわたって、製品の使用する資源やエネルギーと、製品が排出する環境負荷を定量的に推定・評価し、さらに製品の潜在的な環境影響を評価する手法です。

データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(NSHランプ)

データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(NSHランプ)

ランプ1本のライフサイクルにおける各ステージ別CO₂排出量を算出した事例です。 使用段階でのCO₂排出量は全ライフサイクルの約98%を占めており、電力による負荷が大きいことが分かります。次に大きいのは製品を構成する素材で約1.5%を占め、その内訳で大きいものはリフレクタや前面ガラス等のガラス材料による負荷です。評価結果からは特に使用時のCO₂排出量が大きいことが分かります。改善策として省エネタイプのランプ開発が重要です。

対象商品 : データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(直流点灯 300W)

使用期間 : 1500時間

商品の流れ : 素材 → 製造(工場) → 流通 → 使用 → 廃棄

ライフサイクルの各ステージ別CO₂排出量

ランプ製品の安全性について

上記実施例のランプに含まれる化学物質の種類等につきましてはSDS(製品安全データシート)に記載しております。SDSには製品を安全かつ適切に取り扱っていただくために、製品に含まれる物質名やその危険有害性情報、取り扱い上の注意、環境への影響などに関する情報を記載しております。

SDSに関するお問い合わせは営業までお願いいたします。

データプロジェクタ用高輝度放電ランプ点灯電源

点灯電源1台のライフサイクルにおける各ステージ別CO₂排出量を算出した事例です。製品を構成する素材ステージのCO₂排出量は全ライフサイクルの約54%を占めており、その素材内訳の中でトランジスタやダイオード等の半導体素子が主な負荷になっています。次に大きいステージは使用段階で、全体の約45%を占めています。使用段階のステージは負荷損失をCO₂排出量に換算して算出しています。この評価結果から素材や使用段階でのCO₂排出量が大きいことが分かります。改善策は環境負荷の少ない半導体素子の選定、電源回路の改善による環境負荷の大きい素子数の低減、点灯電源の効率向上(省エネ技術の開発)等が考えられます。

対象商品 : データプロジェクタ用高輝度放電ランプ(交流点灯NSHA 230W)用点灯電源

使用期間 : 1750時間(1日当たり3.5時間、年間100日で5年間の使用とする。社団法人産業環境管理協会エコリーフプログラム・データプロジェクタPSC(番号AG-03)による。)

商品の流れ : 素材 → 製造(工場) → 流通 → 使用 → 廃棄

ライフサイクルの各ステージ別CO₂排出量

*本電源は海外で生産しているため、輸送ステージを除いています。

*同上の理由で、CO₂換算原単位値は日本国内生産での値を採用しています。