人権の尊重

基本的な考え方

人権の尊重は、ウシオグループが国際社会における責任を果たし企業としての信頼を蓄積する上で、必要不可欠な取り組みだと考えています。

ウシオグループは、「世界人権宣言」、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト10原則」(人権・労働)、国際労働機関(ILO)の「労働における基本原則及び権利」、ISO26000といった国際規範・ガイドラインを尊重しています。

社会との関係性を重視し、事業活動を通じて私たちが守るべきあらゆる人権としては、下記のような事例があると考えています。

  1. 働きやすい職場環境の維持、作業での事故や就労上の傷病の防止
  2. 児童労働・強制労働・奴隷労働・差別の防止
  3. 過剰な労働時間の抑制
  4. 平等性とあらゆる非差別の維持、多様性の尊重、ハラスメントの排除
  5. 結社の自由、団体交渉権の尊重、最低賃金・生活賃金の確保
  6. あらゆる生存権・生活権など、「世界人権宣言」で定義される基本的人権
  7. 社会的弱者としての子供の権利

人権尊重の徹底

ウシオは、「私たちの行動指針10」においてすべての人権を尊重することを掲げており、従来から人権の尊重を徹底しています。
この指針の第3章、第5章、第10章が、社員、社会、国や地域での人権に関する方針で、以下のような解説がされています。

第3章 私たちは、明るく安全快適な職場環境を作ると共に、国際規範に基づき、事業活動すべてに関わる基本的人権を尊重します。
「社員の採用や処遇の面で、人種、性別、宗教、信条、国籍、出身、身体的特徴、性的指向など、能力や職務遂行と関係ない理由により、不当に差別することなく、あらゆる多様性と自由な発想を尊重します。」

第5章 私たちは、社会から理解と信頼を得られるように努めます
「社会の一員としての役割と責任を認識し、雇用の創出や維持、また調達などを通じて、地域の経済、社会の発展に寄与し、社会との共存共栄を図りたいと考えています。」

第10章 私たちは、国際社会の一員として、それぞれの地域の発展に貢献します
「私たちは、このような海外法人の経営は、その国や地域に固有の宗教、文化、習慣、言語、価値観などを尊重して行わなければならないと考えます。」

すべての人権が守られるための取り組み

2015年12月に私たちの行動指針10の第三章を改定し、事業活動が影響するあらゆる人権に向けては各国法令を超えた国際規範を尊重し、世界人権宣言で定義されるさまざまな人権侵害に当社が直接的または間接的に関わることがないよう、あらゆる人権の尊重に努める方針を打ち出しました。

事業活動においては、製品開発、資材調達から製品廃棄までのさまざまな過程において関連する多くの人権に目を配る必要があります。私たちは2011年の国連のビジネスと人権に関する指導原則でうたわれている保護、尊重、および救済、といった企業の立場としての規範を遵守した事業活動を行い、現在ではグループ内での事業評価の中でも人権や労働関係に関わる監査を行っています。これからもさまざまな人権課題に対するデューディリジェンスを進めます。

サプライチェーンマネジメント

社員の人権尊重

ウシオグループでは以前より連峰経営の精神において、グループ各社の多様性尊重を重視してきました。また、国際労働機関(ILO)による「労働における基本原則及び権利」を尊重し、2010年10月には「国連グローバル・コンパクト10原則」への支持を表明し、人権・労働の要素を含む10原則を遵守するための取り組みを推進しています。

会社の繁栄と社員一人ひとりの人生の充実を一致させるべく、あらゆる社内での人の活用において人種、国籍、性別、性的指向、出身、信条、宗教、身体的特徴などによる一切の差別なく本人の能力と適性のみを基準として公平性と多様性を配慮した選考を行っています。取締役会の構成において、その過半数を社外取締役で構成するなど、多様性維持に配慮した人選を行っています。 また、女性活躍を支援する施策も積極的に行っています。

ウシオのダイバーシティ

職場の安全衛生により、明るく安全快適な職場環境を維持するとともに、対人関係におけるあらゆるハラスメントを排除することで、働きやすさとお互いが尊重しあう社内風土を作り、社員の自由な発想を尊重し、風通しの良い社内環境を維持しています。

安全衛生

人権デューディリジェンスの実践

事業活動においては、製品開発から資材調達、製品廃棄までのさまざまな過程において、関連する多くの人びとの人権に目を配る必要があります。私たちは2011年に報告された国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」でうたわれている「保護、尊重および救済」といった企業の立場としての規範を遵守した事業活動を行っています。

人財活躍マネジメントの具体的展開として社内の人権デューディリジェンスを、上記に示した通り、サプライチェーン管理の具体的展開として社外の人権デューディリジェンスに取り組んでいます。

具体的には、事業所での通常の事業活動における安全衛生状況やM&Aの事業評価における人権保護状況の確認を行っています。
これからも人権課題に対するデューディリジェンスを進めていきます。

人権教育の実施

社内外のステークホルダーの人権を尊重するための活動は、従業員一人ひとりの行動が支えています。人権の尊重を企業の風土として定着させるためにも、従業員の人権意識を高める人権教育を実施しています。

2016年2月には、グローバルな人権課題への対処の経験がある有識者をお招きし、日本国内グループの管理者層を招集した研修を実施しました。研修では講師の実体験を基に、グローバルに幅広く注意しなければならない人権問題にどのように対処すべきか、事業活動の人権への関わり方のパターン、人権デューディリジェンスの手法など、最新の動向が紹介されました。当日は管理者層を中心に受講され、終了後にはQ&Aのやりとりや各々からの感想を参加者間で共有し、研修内容の定着化を図っています。

コミュニティ投資の取り組み

光技術で社会に貢献し続けるウシオグループにおいて、事業戦略として重要かつ持続的発展の源泉はいつも人の成長と活躍、そしてさまざまなコミュニティの発展であると考えています。人材育成と学術の発展に寄与するという方針のもと、ウシオ財団では奨学生支援を継続し、社会に貢献する人材育成を行っています。海外グループ企業においても、中国では牛尾電機(蘇州)有限公司が、教育事業への貢献を目的とした非営利性基金会「江蘇牛尾英才助学基金会」を設立し、蘇州大学学生に奨学金を授与しています。また、フィリピンでも2017年度から奨学金制度をスタートさせています。さらに、当社主要製品のお客さまとなる映画業界と、事業所周辺コミュニティの発展を狙ったシネマコンプレックスでのイベント開催などを開始しており、コミュニティの発展に向けて継続的な支援を行っています。

サプライチェーンマネジメントにおける取り組み

ウシオは、サプライチェーンにおける人権問題を重要なCSRテーマの一つとして掲げ、すべての人権が尊重される社会の実現に向けて積極的な取り組みを進めています。

ウシオグループでは、ランプの電極やフィラメントなどの部材にタングステンやタンタルなどを使用しています。そのため、ウシオの事業活動に関わる人権問題において、重要度の高い人権を確認するにあたり、使用材料に関わる人権問題(児童労働、強制労働)が重要課題と特定致しました。そこで、2013年11月に、紛争地域での人権問題に配慮した「紛争鉱物に対する基本方針」を掲げました。また、サプライチェーンでの人権配慮も含めたCSR調達方針の制定を2014年10月に公表しました。

紛争鉱物に対する基本方針

さらに、CSR調達アンケートの結果検証などにより、調達部門およびCSR部門によるサプライヤーでの人権侵害懸念などの監視を行っています。
人権デューディリジェンスへの具体的な取り組みへの第一歩として、人権に対し負の影響を与えうる事例を下記のように想定しています。 

ウシオのビジネスで人権侵害に加担してしまう可能性のある事例 

  1. 調達する鉱物資源の採掘現場などで発生する反社会勢力による人権侵害
  2. 納入先で製品が兵器製造などに使用されてしまうことによる人権侵害
  3. お客さまでの製品使用ミスなどによる事故での人権侵害
  4. 業務上で得ている個人的な情報の漏えいをきっかけとして起こる人権侵害
  5. お取引先さまの社内やその先のサプライチェーンで発生してしまう人権侵害
  6. 事業所活動や事業用地買収の影響で周辺住民や先住民の方に起こる生活権などの侵害
  7. M&A事業評価先の内部やその関係先で発生してしまう人権侵害

CSR調達方針

CSR調達への取り組み