光化学効果
photochemical effect ひかりかがくこうか
解説
光化学効果とは、光放射が物質や生物、生体に作用して生じる化学的変化のこと。
※物質を構成する原子や分子が、光エネルギー(光子)を吸収して生じた電子的励起状態から起こる、化学的変化のプロセスを光化学反応という。
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<光化学効果の応用例>
- 光重合
紫外~可視放射による光重合反応を利用し、印刷製版、塗料硬化、インキ乾燥、接着、歯科などでキュア(キュアリング)に使われる。
ハロゲンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが用いられる。 - 光CVD
材料ガスを光分解させ、発生したラジカルを基板上で再結合し、薄膜を形成する。
キセノン(Xe)を封入したエキシマランプ(172nm)などが用いられる。 - 光洗浄
FPDなどのガラス基板の洗浄に使われる。
キセノン(Xe)を封入したエキシマランプ(172nm)、低圧水銀ランプなどが用いられる。 - レジスト剥離
半導体、FPDのレジスト剥離に使われる。
キセノン(Xe)を封入したエキシマランプ、高圧水銀ランプ(365nm, 254nm)などが用いられる。 - オゾン生成
紫外放射(150~200nm)でオゾンを生成し、脱臭、水処理に使われる。
キセノン(Xe)を封入したエキシマランプ、UV-XEFL、低圧水銀ランプなどが用いられる。 - 光合成
紫外~可視放射が各種化学物質の合成に使われる。 - 光複写
光分解作用を利用した銀塩写真、ジアゾ式複写など。 - 陰イオン生成
紫外放射(250nm以下)による光電効果で、金属面から光電子が放出され、空気中の分子などと結合し、陰イオンが発生する。空気清浄などに使われる。 - 殺菌
紫外放射(200~300nm)を利用し、空気殺菌、水殺菌、表面殺菌などに利用される。
UV-XEFL、低圧水銀ランプなどが用いられる。 - ビタミンD生成
紫外放射(250~300nm)による生体内のビタミンDの生成。 - 医療
紫外~可視~赤外と、幅広い光放射が医療における診断、治療、予防に使われる。 - 生物
植物の生長促進や抑制、昆虫の誘引や忌避、魚類の誘引などで、必ずしも光化学効果だけではないが、光放射が利用される。