仏大手シネコンがクリスティ製デジタルシネマプロジェクタを採用決定

-欧州でも普及始まる-

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:菅田 史朗、以下 ウシオ)の100%子会社、クリスティ・デジタル・システムズ(以下クリスティ 本社:米国 カリフォルニア州サイプレス CEO:浜島健爾)が製造販売するデジタルシネマプロジェクタ(以下DCP)が、ヨーロッパ大手シネコンチェーンのサーキットジョージレイモンド(以下CGR 本社:フランス ラ・ロシェル CEO:ジョセリンブーシ)に採用されることが決定しましたので、お知らせします。

欧州初、DCP普及促進プログラムが本格スタート

欧州の大手デジタルコンテンツ配信会社、アーツアライアンスメディア(以下AAM)は欧州内の約7,000台のシネマプロジェクタを対象にした、DCPの普及促進プログラムを推進しております。今回CGRへの導入はそのプログラムの一部として実現したもので、バーチャルプリントフィー(以下VPF*1)契約に基づいた、普及促進プログラムによる大量一括導入としては、欧州で初めてのケースとなります。

欧州第3位のシネコンチェーンCGRの全プロジェクタ400台を、クリスティ製CP2000(2K*2 DLPシネマ(R)DCP)へ置き換える設置作業は2008年第一四半期よりスタートし、初年度に200台を目標とします。また、クリスマスシーズンに公開される3D映画の上映にあわせ、2007年12月中に8台が設置される予定です。

クリスティは2005年から2007年にかけて、アメリカの大手デジタルコンテンツ配信会社アクセスIT(以下AIX)のVPF契約によるDCP普及促進プログラム*3のパートナーとして、プロジェクタの納入はもとより、その展開を支援してまいりました。アメリカのシネコンチェーン約15社が参加した当プログラムにおいては、クリスティのDCPは現在までに4,000台以上が設置され、DCPの世界シェア約80%を占めるトップブランドとなっています。

現在、全世界のスクリーン数は約70,000といわれており、そのうち約半分がアメリカに存在しています。アメリカから始まったシネマプロジェクタのデジタル化の流れは、欧州、そして世界各地に拡大することが想定されます。

ウシオグループは今後も、世界の映画館のデジタル化を推進するため、高品質なDCPとサービスを提供してまいります。

*1 VPF(バーチャルプリントフィー)
デジタル化されることにより不要になる、1本のフィルムの現像、プリント、配送などのコスト削減分の一部。デジタル作品上映毎に映画会社がこれを支払うことにより、DCPなど映画館のデジタル化に必要な資金の一部を負担します。

*2 2K
DCPの横方向の画素数が2,048の意味。DCPには現在、横方向の画素数が2,048の2Kと4,096の4Kという2つのDCI(Digital Cinema Initiatives)規格がありますが、世界的に推進され普及しているのは、テキサスインスツルメントが保有するDLPシネマ(R)方式の、経済性と品質に優れた2K規格で、クリスティのDCPもこの規格に基づいています。

*3 DCP普及促進プログラム
AIXおよびAAMが採用した、普及促進プログラムでは、特定目的会社がDCPを一括購入した後、シネコンチェーンに無償(またはわずかの費用)で供給します。シネコンチェーンは、年間の保守メンテナンス、ランプ交換代、設置費用のみを負担するだけで済むので、デジタル化がしやすくなります。特定目的会社(SPC)は、DCPの購入費を、VPFにより長期間かけて回収します。

参考資料

シネマプロジェクタ(映写機)のデジタル化について

シネマプロジェクタをデジタル化することによるメリットは次のとおりです。

アナログ デジタル
製作の簡易さ 一度撮影したフィルムを現像しないと、チェックできない 撮影現場でチェックできるため、撮影のやりなおしが簡単
画像の質 上映頻度が高いと、フィルムが痛んで劣化する 繰り返して上映しても劣化しない
上映できる
コンテンツ
フィルムに現像したもののみ 衛星や回線を利用すればリアルタイム上映が可能なため、スポーツイベントやオペラなどを映画館で同時上映できる
3D対応 プロジェクタを2台設置することが必要 1台で対応可能なうえ、3Dコンテンツ用に入場料を高く設定できる
プロジェクタなどの
価格と維持費用
プロジェクタそのものは比較的廉価だがフィルムの編集などに技師が必要。 プロジェクタの初期投資額は大きいが技師は不要
フィルムにかかる
コスト
フィルムの現像、プリント、配送に費用がかかる 小型のハードディスクもしくは光ファイバー回線や衛星を使用するので、フィルム代が不要、配送・配信費用も安い

世界各国のスクリーン数について

全世界 70,000
アメリカ 36,000
フランス 5,000
韓国 3,000
日本 3,000

(上記数字は、クセノンランプを使用している近代的プロジェクタの設置台数であり、カーボンアークを使用する旧式・移動式のシネマプロジェクタは含まれません)

クリスティについて

クリスティデジタルシステムズ製 デジタルシネマプロジェクタ【CP2000】

クリスティ・デジタル・システムズ(Christie Digital Systems)は、ウシオ電機株式会社(東証:6925)の100%子会社であり、世界の一流企業に対し、ビジネス、エンターテイメント、産業用など、幅広い用途のビジュアルソリューションを提供しています。1929年以降、フィルム映像分野をリードするイノベーターとして、1979年以降は、デジタル映像システムのパイオニアであるクリスティとして、総合的なサービスを提供し、さまざまなディスプレイ技術やソリューションを提供する世界唯一のメーカーとして、広く知られています。シネマ、ライブ会場、コントロールルーム、ビジネスプレゼンテーション、研修施設、 3D やバーチャルリアリティ、シミュレーションや 教育、さらには産業用や官公庁施設において、最も完全で高度なソリューションを提供しています。
http://www.christiedigital.com/AMEN/

CGRについて

サーキットジョージレイモンド(Circuit George Raymond)は、フランスで第3位の大手シネコンチェーンで、総スクリーン数は400。フランス国内の中型都市にシネコンを建設し、コストマネージメントに優れた経営で高収益を実現していることで知られています。このたびAAMのVPFによる普及促進プログラムに参加し、全シネマプロジェクタをデジタル化する、欧州初のシネコンチェーンとなります。
http://www.cgrcinemas.fr/

Christie Digital Systems, Inc.

CGR Cinémas Selects Christie DLP Cinema® Projection Systems for Arts Alliance Media Rollout