ウシオが開発したエキシマランプが侵略的外来水生植物の対策技術として滋賀県の「令和5年度 水草等対策技術開発支援事業」に採択


ウシオが開発したエキシマランプが侵略的外来植物の繁茂抑制・侵入防止の用途で、滋賀県の「令和5年度 水草等対策技術開発支援事業」に採択されました。

南米原産の外来種であるナガエツルノゲイトウは、「地球上で最悪の侵略的植物」と言われるほど拡大力・再生力の強い植物で、本来あるべき在来種の生態系を崩すだけでなく、水路を閉塞し、取水・排水の障害などを水利施設で引き起こしたり、水田や畑地では作物を倒伏させたりと大きな被害をもたらすことから、特定外来生物に指定されています。
しかも、水辺では除草剤の散布ができないことや、草刈り機やトラクターでの処理は破片をばらまき却って増殖させてしまうことから対策が難しく、その生育面積は増加の一途を辿っています。

この課題に対し、ウシオでは新たな試みとして波長222nmの紫外光を放射するエキシマランプを用いた植物の成長阻害による対策を検討し、千葉県印旛沼の農業用水路に繁茂しているナガエツルノゲイトウの群落を使用した実験を行った結果、光照射だけで群落密度を大幅に減少させる研究成果を得ました。今回採択された研究テーマでは、この技術の実用化に向け、群落繁茂防止及び照射エリアへの侵入防止に最適な紫外線ランプの研究開発を行い、その結果を元に試作機を制作します。

図1 エキシマランプ放射光のナガエツルノゲイトウへの照射効果

なお、本技術の実用化には、効果と経済性の両立といった課題がありますが、ウシオはナガエツルノゲイトウの調査及び駆除対策技術の研究について多くの実績を持つ国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構とも協業し、最終的には効果と経済性を明確化し、それらを両立できる照射器を開発する予定です。

ウシオは今後も本技術の実用化に向け、更に研究開発を加速し、「生態系の保護と、人々の幸せを両立できる世界」に「光」で貢献していきます。

※ 採択事業テーマ 「KrClエキシマランプによるナガエツルノゲイトウの侵入防止及び成長抑制技術の開発」


参考
滋賀県「令和5年度 水草等対策技術開発支援事業」についてはこちらをご覧ください。

 

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