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光技術情報誌「ライトエッジ」No.3(1995年秋発行)

特集 第7回光源の科学と技術に関する国際会議

(当社発表論文)

LS:7の概要

専務取締役主席研究員 平本立躬

LS:7は正式にはInternational Symposium on the Science and Technology of Light Sourcesと称されるランプ関連では世界的な規模のシンポジウムの一つである。今までヨーロッパで開かれてきた。第一回は1975年にイギリスのLoughboroughで開催され、参加者は90名と記録されている。三年に一度開催され、大学、公共研究機関、企業の科学者、技術者が一堂に集まり、時間をかけて議論、情報交換を行う場になっている。

今回はその第7回目で、ヨーロッパ以外で開催されたのは初めてである。日本での開催に当たっては元松下電子工業株式会社の神谷茂氏が並々ならぬ御尽力をされた。その結果慣例を破り非ヨーロッパの国で開催されることになった。この地理的なハンデのためにヨーロッパの大学の先生や企業からの参加者が比較的少なかった。しかしその反面日本以外のアジア諸国からの参加者が結構多く、ざっと見渡しただけでも20人前後にはなったのではないだろうか?全参加者数は300人足らず、その内外国からの参加者は約1/3であった。おそらく今までのLSの内最高の人数であったと思われる。

発表は7つのセッションにわかれ、合計、105件と内容は多岐にわたっていたが、Science and Technology of Light Sourcesの面からは目新しいものが多かった。概観的には、

  • 1.HIDランプの更なる高性能化
  • 2.ランプ中の各種活性種の密度や温度の空間的、時間的変化の測定法の開発
  • 3.CADを睨んでのランプのデモリング、シミュレーション技術の向上
  • 4.バリアランプについては放電の形状、発光の空間的、時間的変化の実験的、理論的な展開がなされ、多くの知見がえられた。
  • 5.使用済みランプの回収とその部材のリサイクルなどに大きな進歩が見られた。

当社からも6件の発表があったが世界の専門家との一時間以上に及ぶ討論を(相手はその都度変わるが)一対一で遂行し、技術力のみならず英語力に大きな自信が付いたと思われる。

次回の開催は1998年でドイツのGreifswaldが候補地に上がっている。

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