LED素子/パッケージ

製品・技術 可視から近赤外域まで発光可能な高出力ブロードバンドLEDの開発に成功 ― 世界最高 160mWの出力を達成 ―

2019.01.09

ウシオ電機株式会社の100%子会社であるウシオオプトセミコンダクター株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 伴野 裕明、以下 ウシオオプトセミコンダクター)は、可視光から近赤外光を含む波長400~1000nmの広帯域で発光する、世界最高出力160mWのブロードバンドLEDを開発し、2018年12月1日より、ウシオオプトセミコンダクターのLEDブランド「epitex series(エピテックスシリーズ)」における新ラインナップ「Spectro Series(スペクトロシリーズ)」として、サンプル出荷を開始しました。

なお、本製品は2月5日(火)から2月7日(木)までThe Moscone Center(米国 サンフランシスコ)にて開催される「Photonics West 2019」にてサンプルおよびポスター展示を行います。

近赤外光は物質により吸収特性が異なるため、その性質を利用して糖度や血中酸素飽和度など、物質の種類と量を測定する方法として、食品分野や医療分野などで広く採用されており、近年では携帯可能な食品センサーをはじめ、測定機器の小型化が求められています。

また、可視域から波長1000nm程度の近赤外領域の光源は、CMOS等のシリコン受光センサーの感度領域とほぼ一致することから、光源と受光センサーを組みわせ、ペットボトルなどの材質や色を選別する選別機への適応も期待されています。

 

しかし、現状の光源では、以下の理由により、機器の小型化やメンテナンス性が課題となっています。

  • 従来用いられている近赤外LEDは、1つの素子から1つの波長しか得られず、1台の測定機器で異なる物質を測定するためには、複数素子を搭載する必要があり小型化が困難
  • 近年開発が進んでいる近赤外光を含む広帯域発光LEDでは出力が弱いため十分な光量が得られず、測定が困難
  • 高出力で広帯域発光が可能なハロゲンランプは、光源が大きくかつ光により周辺部材が加熱されるため、放熱冶具が必要となり、光源部の小型化が困難。また、LEDと比較し短寿命のため交換頻度が少なくない

これに対しウシオオプトセミコンダクターは、当社の前身から特に赤外領域のLED開発・製造を得意としており、その技術・ノウハウを活かすことで、可視域から近赤外域において連続したスペクトルを持つ蛍光体を用いたLEDのうち、世界最高となる160mWの出力を実現しました。

 

これにより、個人で食品中の糖分・脂肪分などの含有量を測定することのできる機器の開発や、農作物やプラスチック製品の素材や色彩、混入異物などを分別する選別機の高性能化が期待されます。

 

なお、Spectro Seriesは、お客様のご要望(出力・配光・光源サイズ)に応じて、様々なパッケージからChip on Boardまで、多様な形態でのご提供が可能です。

  • 500~1000nmの出力において。

■スペクトルデータ

Spectro Series製品画像:左から、SMBBフラットタイプ、SMBBレンズタイプ、TO-66タイプ、SMGタイプ

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