製品・技術 センサー・バイオメディカル用レーザーダイオードの販売を開始 ― 660nm帯シングルモードレーザーで世界最高となるCW光出力200mWを達成―

ウシオ電機株式会社の100％子会社であるウシオオプトセミコンダクター株式会社（本社：東京都、代表取締役社長 伴野 裕明、以下　ウシオオプトセミコンダクター）は、センサーおよびバイオメディカル用の660nm帯レーザーダイオード（LD）において、シングルモードで世界最高のCW光出力*¹200mW*²を実現した「HL65221DGシリーズ」を2020年2月より販売開始します。

なお本製品は、2月4日（火）から2月6日（木）までThe Moscone Center（米国　サンフランシスコ）で開催される「SPIE Photonics West 2020」にてブース展示および2月3日（月）に開催される「OPTO Conferences」にて 講演を行います。

■LDの波長帯別用途AlGaInPベースの材料で構成される赤色LDは、高出力、高効率、優れたビーム品質、高い信頼性等の特長から、630nm～690nmの波長範囲で広く実用化されています。さらに、機器の小型化、低消費電力が可能というメリットもあるため、さまざまな用途の機器の光源として使用されています。

特に視感度が比較的高い630nm～640nm帯のLDは、デジタルシネマプロジェクターやショーレーザーなどのディスプレイアプリケーション用として実用化されており、今後プロジェクターの更なる高輝度化や高い色再現性の実現に向け、高出力化・高効率化の流れにあります。

一方、光ディスクのデータ書き込み用光源として広く普及している660nm帯のLDについては、今後、センサーやバイオメディカル用途での利用拡大が見込まれています。特に、産業向けのセンサー用途では、660nm帯の赤色LDの良好な温度特性と視認性の観点から、光電センサーや距離儀、トータルステーション等の用途で実用化が始まっています。また、バイオメディカル用途においても、フローサイトメトリー、光線力学療法、DNA検査に、またレーザー顕微鏡やラマン分光法等においても実用化が進められています。

■センサー及びバイオメディカル用LDの課題と対応 しかし、センサーやバイオメディカル用途のシングルモードLDには、近年装置性能をさらに改善するために長距離計測、高解像度、高スループット等の要求があり、特にバイオメディカル用途では、該当波長帯における光化学反応を高効率かつ短時間で実現するために、更なる高出力化と良好なビーム品質が求められています。

660nm帯シングルモードLDは、AlGaInP系材料に添加する不純物濃度を高めることで高キャリア濃度*³が得られ良好な温度特性を実現出来ますが、一方、高濃度の不純物は信頼性を低下させるため、良好な温度特性と信頼性との両立が困難であり、CW光出力が100mW程度に留まっていました。

そこでウシオオプトセミコンダクターでは、これまで培ってきた結晶成長の技術と高出力化の知見を融合させ、660nm帯シングルモードLDでは世界最高のCW光出力となる200mWを達成し、製品化しました。また、本製品は各種用途で求められる短パルス幅での高出力動作にも対応し、パルス光出力*⁴400mWを達成しました。

これにより赤色LD搭載のセンサーやバイオメディカル用機器の普及拡大に貢献します。

• 1 一定の光出力を連続して発振すること
• 2 2020年1月現在、当社調べ
• 3 半導体中の荷電粒子密度が高い状態
• 4 一定の繰り返し周期で光出力を発振すること

■ 特長 1. 660nm帯シングルモードLDで世界最高となるCW光出力200mWを達成。
2. パルス動作にも対応し、パルス光出力400mWを達成。
3. 電力変換効率32%を達成、横シングルモード発振での安定動作を実現。
4. 5.6mmの小型パッケージながら、75℃での高温動作を実現。
5. 顧客用途に応じて3種類のピン配置を製品化。（■製品画像、ピン配置参照）
6. モニタ用フォトダイオードを内蔵し、回路構成の簡易化に寄与。

■ 製品仕様　(動作温度 Tc=25℃)

■ 製品画像、ピン配置

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