レーザーダイオード(LD)

製品・技術 波長638nmにおいて世界最高パルス光出力 4.2Wを実現した赤色高出力レーザーダイオードの販売を開始

2024.01.22

ウシオは、波長638nmにおいて世界最高のパルス光出力※1 4.2 W※2を実現したプロジェクター向け赤色レーザーダイオード(以下LD)「HL63680HD」を開発し、2024年2月より販売を開始します。 

なお本製品は、2024年1月30日(火)から2月1日(木)に米国サンフランシスコにて開催される「Photonics West 2024」にてブース展示および講演を行います。
Photonics West 2024 Jan.30 - Feb.1, 2024

近年、プロジェクター向けのレーザー光源は、優れた色再現性を高効率で実現できることから、シネマプロジェクター、レーザーTVやホームプロジェクターなど幅広い製品にて採用が進んでいます。また最近、ホログラム技術を用いた拡張現実型ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)など車載用途の安全性向上につながる先端技術にもレーザー光源が検討されています。

ウシオではこれらプロジェクターの光源に使用される赤色LDの開発に継続して取り組んでおり、2019年には当時の世界最高のパルス光出力3.5Wを実現した「HL63520HD」(波長638nm、パルス光出力3.5W、CW光出力※32.4W)を販売開始し、レーザープロジェクターの普及に貢献してきました。

しかし、赤色LDは、材料の性質上、温度変化に対し光出力が変化しやすく十分な冷却が必要となるため機器が大型になる、あるいは機器サイズの制約により十分な放熱性が確保できず輝度が制限されるなどの課題があり、市場からは高温下での光出力の向上、および電力変換効率4の向上が求められていました。

ウシオはこれらの市場ニーズに応えるため、チップ構造の更なる最適化を行うことで、性能を大幅に改善することに成功し、波長638nmにおいて世界最高となるパルス光出力4.2Wを高温45℃で実現するとともに、電力変換効率もパルス動作25℃で世界最高  の45%※2を達成しました。

本製品を通して、驚きと感動の体験創出と安心・安全な環境の実現をし、人々の幸せと社会の発展を支えてまいります。



■特長
1. 波長638nmにおいて世界最高のパルス光出力4.2Wを高温45℃で実現し、寿命MTTF※5 20,000 時間以上を達成。

2. 波長638nmにおいて世界最高の電力変換効率45%をパルス動作25℃で達成。

3. CW動作で光出力3.0 Wを実現し、 寿命MTTF20,000 時間以上を達成。
パルス動作方式、CW動作方式のいずれのプロジェクターにも搭載が可能です。

4. エミッタサイズ、パッケージは従来品(HL63520HD)と共通化。
従来品からの置き換えが容易です。


※1    一定の繰り返し周期で光出力を発振すること
※2 2024年1月現在当社調べ
※3   一定の光出力を連続して発振すること
※4    入力電力に対する光出力の割合のこと
※5    Mean Time To Failureの略。平均故障時間

■製品仕様(動作温度 Tc=25℃)

 パルス光出力     4.2W (Pulse, f=240Hz, duty=40%)
 CW光出力   3.0W
 電力変換効率    45% (Pulse, f=240Hz, duty=40%)
 発振波長  638nm 
 動作温度      -10℃~55℃
 拡がり角       12°x 30°(FWHM)
 横モード  横マルチモード
 発振モード      TMモード
 パッケージ  9mm TO-CAN パッケージ
 

  • ■特性曲線
     
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