LED素子/パッケージ

SWIR域 1050nmのLEDの出力を大幅にアップ

2021.04.02

ウシオは、ウシオのLEDデバイスである「Epitexシリーズ」のSWIR域である1050nm LED「SMBB1050GD」において出力を大幅にアップしました。このLEDはチップにGaAs(ガリウムヒ素)系材料を採用しており、CW駆動では駆動電流1Aにて700mWを達成、パルス駆動では駆動電流2Aで1200mWと大幅に光出力を向上させました。さらにこのチップを複数搭載することにより1パッケージでの出力にして最大3700mW(パルス)を得ることができます。

 
なお、本製品も含めたSMBB ファミリーは、ハイパワーと優れた排熱性能を兼ね備えた、Epitexシリーズの主力製品となります。また、このほかSWIR域では、波長1050~1750nmにおいて、世界最高出力と効率を実現したエピテックスDシリーズをリリースしております。詳細はこちらをご覧ください。
SMBB1050GD の光学・LEDパッケージ構造について
SMBB1050GDはチップサイズ1mm2で、排熱性に優れたSMBBファミリーを採用しています。SMBBファミリーのもう一つの特徴はレンズ付きパッケージを豊富なバリエーションから選べる点です。このSMBB1050GDにおいても、いくつかのレンズバリエーションをご用意、用途に適した配光分布を得ることが可能です。


 
上図のようにフラットタイプや05レンズタイプは、配光角が比較的広角なタイプで、広い領域を照明したい場合に適しています。なお、SMBB1050GDの場合の放射強度はフラットタイプで230mW/sr、05レンズタイプで360mW/srとなります。 
それに対して02および03レンズはより狭い領域への照明を実現するレンズです。特に02レンズでは配光角が僅か±10°と非常に挟角な放射を得られ、放射強度は3,100mW/sr(CW)5,200mW/sr (パルス)に達します。

SMBB1050GDの用途例

  • •    異物検査
    •    食品等のソーティング
    •    高温ガラス欠陥検査
    •    マシンビジョン
    •    液体の充填レベル検査
    •    水分検出
    •    リサイクルのためのプラスチック選別
    •    シリコンウェハーの欠陥検査
    •    太陽電池の欠陥検査
    •    ソーラーシミュレーション 

波長1050nmはSWIR域の短波長端にあたります。SWIR域の光の特徴は多くの物質、特に有機物での特徴的な吸収が存在することであり、それらを活かした数々のアプリケーションが生まれています。
有機物の特徴吸収を活かしたアプリケーションの代表的なものが青果物や加工食品、あるいはプラスチックなどソーティング(選別)と呼ばれるものです。これは対象物の分光情報を取得し、その解析により異物の混入、水分をはじめとする成分を評価し、その結果に基づいて異物を排除したり、成分の評価結果によって選別を行うものです。
また1050nmは広く用いられるSi(CMOS)センサの感度波長の長波長端にあたります。一般にこの波長でのSi(CMOS)センサの感度は低くなりますが、高出力のSMBB1050GDによる照明により、Si(CMOS)センサを用いるあらゆる用途の計測精度の向上や計測時間の短縮が可能です。


ウシオは、今回ご紹介した1050nmをはじめ、1050nmから1750nmまでをカバーするSWIR域LEDを豊富にラインアップしています。詳細はこちらをご覧ください。
 

SMBB1050GD 1050 nm SWIR LEDデータシート

•    SMBB1050GD-1100(フラットレンズ
•    SMBB1050GD-1100-02 (02レンズ)
•    SMBB1050GD-1100-03 (03レンズ)
•    SMBB1050GD-1100-05 (05レンズ)
  • Epitexシリーズについて

    epitexシリーズは、365nmから1750nmまでの紫外、可視、近赤外、SWIRの波長をカバーしており、その性能・品質には30年以上のチップ技術(エピタキシャル成長、プロセス等)及びパッケージング技術(放熱設計、光学設計等)の豊富な経験が活かされています。またパッケージもEDC、SMBB、SMT、マルチチップSMTなどの標準パッケージに加え数多くの形態のパッケージを提供しています。