LED素子/パッケージ

SWIR域 光出力2倍の1100nm LEDの量産開始

2024.06.10

ウシオ電機株式会社(以下、ウシオ)は、このたび、SWIR域である1100nm LEDの光出力を大幅に向上した 「1100GD」製品を2024年6月より量産開始しました。

本製品は、高効率SWIR LED「epitex Dシリーズ」の更なる高効率・高出力製品として2021年に開発した「epitex GDシリーズ」の技術を1100nm LEDに展開した製品です。

本製品のチップではGaAs(ガリウムヒ素)系材料を採用することで、既存製品「Dシリーズ」の1100nm製品と比較して光出力が約2倍となり、CW駆動において駆動電流1Aで590mW、Pulse駆動において駆動電流2Aで880mWと世界最高クラスの光出力を実現しています。また、光出力の向上によってエネルギー効率(Wall-plug efficiency)も1.8倍程度向上したことにより、LED駆動中の発熱量が小さくなることで、光出力や波長シフトなどの特性値の変化も小さくなることが期待できます。さらに、本製品は温度変化による光出力の変動が「Dシリーズ」の1100nm製品と比較して小さく、放熱設計においてより扱いやすくなっています。

※ウシオ調べ


 


 

主な用途


•    シリコンウェハーの欠陥検査                                              
•    ソーラーシミュレーション
•    太陽電池の欠陥検査
•    異物検査
•    バイオセンシング
•    食品等のソーティング
•    高温ガラス欠陥検査
•    マシンビジョン
•    液体の充填レベル検査
•    水分検出
•    リサイクルのためのプラスチック選別                          

シリコンウェハーは1000nm近傍から長波長になると徐々に透過率が高くなり1100nm以上になると殆どの光が透過します。また、赤外線LEDは長波長になるほど光出力が低下します。そのため、1100GD製品は既存の1050GD製品と比較して光出力は80%程度ですが、  シリコンウェハーの透過率が3倍程度高いため、ウェハ内部の欠陥を検査するのに適しています。
 


また、バイオセンシング分野においても貢献が期待されます。波長1100nmは生体組織への生体侵入長が長いため、生体組織の内部や深部にまで光が到達し、深部の計測やイメージングに適しています。この特性は、生体組織の微細な構造や病変部の評価において、より正確な情報を提供することができます(図1)。さらに、波長1100nmは精細度の高いCMOSイメージセンサに感度があります。CMOSイメージセンサは、現代のバイオセンシング研究や医療診断において広く使用されており、1100nmのLEDを使用することで、  微細な構造や細胞の観察、分析が可能となり、バイオセンシング分野における研究の進展や非侵襲生体診断の精度向上に貢献することが期待されます。
 
 

図1
  
 
 

製品ラインナップについて


ウシオは、epitex 1100GDのハイパワーチップ製品をラインナップしています。チップサイズ1mm2のハイパワー製品は、EDCSMBBEDCC、その他のパッケージへの搭載が可能です。製品のお取り扱いについては、技術・サポート情報をご参照ください。
また、SMTモールドタイプのパッケージへ搭載可能なスタンダードパワーチップ製品に関しては、量産計画は未定となっていますが、ご興味があればお問い合わせ下さい。

 

1100GD製品ラインナップ


EDCC1100GD-1100           データシートはこちら
SMBB1100GD-1100   データシートはこちら
SMBB1100GD-1100-02     データシートはこちら
SMBB1100GD-1100-03     データシートはこちら
SMBB1100GD-1100-05     データシートはこちら
SMBB1100GD-2100S-I      データシートはこちら
SMBB1100GD-3100S-I      データシートはこちら
EDC1100GD-1100    データシートはこちら
EDC1100GD-1100-S5      データシートはこちら
COB1100GD-16100S       データシートはこちら