社長メッセージ

 2014年4月1日、おかげさまでウシオ電機は創立50周年を迎えました。これもひとえに、皆さまのご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
 1964年に生まれた私たちの小さな「光」は、さまざまな産業分野において、あかりとして、エネルギーとして大きく成長してまいりました。そしてこれからも、ウシオは光のプロフェッショナルとして皆さまのご期待にお応えすべく、光の可能性に挑戦し続けてまいります。

2014年6月
代表取締役社長・CEO

菅田 史朗

  • 2014年3月期は増収増益

     当期の売上高は、前期比10.0%増の1,578億円、営業利益は59.7%増の121億1千万円、経常利益は50.9%増の159億4百万円、当期純利益は50.5%増の107億7千万円の増収増益となりました。
     当期は、欧米経済および国内経済の回復傾向と円安の影響に支えられ、光源事業、装置事業のいずれも増収増益となりました。
     装置事業では、映像装置分野においてデジタルシネマプロジェクタ(DCP)が先進国で相当程度普及したことにより売上が減少したものの、一般映像向けなどシネマ以外の用途が拡大し、増収となりました。光学装置分野では、液晶パネル製造用光配向装置の販売が本格化したものの、電子部品製造用露光装置の販売低迷などにより微減収となりました。
     光源事業では、放電ランプのうち露光用UVランプが堅調に推移し、また、トップシェアを誇るシネマプロジェクタ用クセノンランプとOA用ハロゲンランプは引き続き好調でした。
     また50周年を無事に迎えられましたことに感謝申し上げ、4円の記念配当を実施し、当期の1株当たり配当は26円としました。

  • 中期計画について

     このほど発表した3ヵ年の中期計画では、2017年3月期の売上高目標を当期比およそ30%増収の2,100億円、営業利益率10%といたしました。この目標を達成するための成長ドライバーとして、以下の事業に注力していく考えです。

    中期計画 2017年3月期達成目標

      2014年3月期
    (実績)
    2015年3月期
    (計画)
    2017年3月期
    (計画)
    売上高

    1,578

    億円

    1,700

    億円

    2,100

    億円
    営業利益

    121

    億円

    140

    億円

    210

    億円
    営業利益率

    7.7

    8

    10

    ROE

    6.0

    8

    %目途
  • シネマ向け新事業と新光源

     映像装置分野において、映画館で高品質な音響を提供するオーディオ事業に新規参入します。クリスティの高品質な映像に高品質な音響システムを加えることで、映像におけるクリスティのブランド力を活かしたトータルソリューションビジネスを展開していきます。また、大型のプレミアムシアター向けに半導体レーザ(LD)を使用したレーザプロジェクタ需要の拡大も期待できると考えています。レーザプロジェクタは非常に明るいため、3D映画に最適であるほか、大きなスクリーンに投影可能であることから、映画館にとって顧客満足度の向上だけではなく、収容人数を増やすことができるなどメリットが多く、近々、北米の映画館に導入する予定です。このレーザプロジェクタは、DCPが世界中に普及したように、将来的には各国に普及することが期待できるため、今後も積極的な開発投資を行なっていく計画です。

  • ディスプレイの高精細化による光学装置の拡大

     スマートフォンやタブレット端末市場は引き続き拡大傾向にあり、それに伴う液晶パネル市場の需要増に対し、当期より販売を開始した光配向装置の拡大をさらに推進していきます。また、半導体・電子部品分野においても、今後、成長が期待されるハイテク機器や自動車、医療関連機器向けに、露光装置の販売拡大を計画しており、次世代を見据えた開発投資も引き続き積極的に進め、事業拡大を目指していく方針です。

  • 固体光源の早期事業化を推進

     光源事業については、引き続き従来からのシネマプロジェクタ用クセノンランプの伸長が期待できるほか、UVによる除菌、殺菌、脱臭や脱硝などの新規用途へもさらに拡大と浸透を図っていきます。
     固体光源については、照明分野において、設計事務所との事業提携などにより、付加価値のあるLED照明を提供していく計画で、既に、東京や韓国の高級ホテルや空港やショッピングモールなどで採用が進んでいます。また、事業化をさらに加速するため、2014年4月1日から新たな組織として独立させました。今後、固体光源事業の早期事業化、製品化を目指した一層の開発投資を実施していきます。

  • バイオメディカル事業も独立事業部へ

     バイオメディカル事業も新たに組織として事業部を独立させ、成長を加速させる方針です。現在ウシオは、バイオメディカル分野の製品を複数販売しており、世界中に大きな潜在ニーズが存在すると考えています。医療用製品は薬事認可に時間を要することもあり、目下、各国での薬事認可の取得を進めつつ、製品ラインナップを増やしていくために大学病院などとの産学官連携を強め、試薬開発などの一層の促進を図っています。将来は、映像画像、エレクトロニクスと並ぶ事業規模を目指しており、M&Aを含め積極的な資源投入を実施していきます。

  • 2015年3月期の見通し

     当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、世界経済は全体としては緩やかな回復・拡大が続き、国内経済も消費税率引き上げの影響が懸念されるものの次第に緩やかな回復に戻ることが想定されます。
     通期の業績は、売上高は前年同期比7.7%増の1,700億円、営業利益は前年同期比15.6%増の140億円、経常利益は前年同期比0.6%増の160億円、当期純利益は前年同期比2.1%増の110億円を予想しています。

     今年創業50周年を迎えたウシオは、いまや国内外に50を超えるグループ企業を擁し、連結売上高の8割近くを海外のお客さまへの売り上げが占めています。また、グループ従業員5,470名のうち半数以上の3,089名が海外グループに籍を置く、真のグローバル企業となりました。
     50周年という節目にあたり、私どもはこれまで同様これからも「光」のソリューションを提供していくことで社会に貢献し、成長し続けていきたいという思いを新たにしています。今後とも、一層のご支援を賜れば幸いに存じます。

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