2030年に向けたSBT取組み目標強化
ウシオでは、「2020年環境ビジョン」の先を見据え、2030年にどうあるべきかという考えのもと、GHG排出量削減目標を設定しました。この目標はSBT(Science Based Targets)として2018年に認定されています。最近の気候変動に関する国際的な見地から、目標の見直しを行い、2017年度比で33%の削減を目指すこととしました。事業所活動等によるCO2排出削減のみならず、環境配慮型製品の開発により、SCOPE3製品使用でのCO2削減も進めていきます。
事業活動でのCO2排出削減
ウシオフィリピンやウシオ電機御殿場事業所での太陽光発電の新設、増設を進めています。太陽光発電設備増設により、御殿場事業所では事業所全電力の5%程度を賄うことができるようになりました。
また、本社オフィスでは、働き方改革による在宅勤務体制の構築と制度拡充が進み、オフィスを縮小することができるようになりました。その結果、CO2が30%程度削減できる見込みで、環境負荷低減にもつながっています。
異常気象リスクにかかる調達とビジネス戦略
気候変動によるリスクとして、世界各地での異常気象に伴う洪水や干ばつ、火災により工場が操業できなくなったり、サプライチェーンの操業停止や資材調達リスクが顕在化しています。そこで、このリスクを低減するため、生産の分散や資材調達においてもBCPの視点を取り入れるなど、戦略的な対応を行っています。
一方、気候変動を新たなビジネスチャンスととらえ、気候変動により予測されるシナリオから社会でのCO2削減に寄与するため、既存の技術をウシオ技術に置き換えることでCO2削減ができる技術の開発や新たなビジネス戦略を展開しています。例えば、常時点灯が必要な低圧水銀灯によるドライ洗浄工程を、必要時のみ点灯可能なエキシマランプに置き換えることにより、省エネ化することができ、結果として、お客様のCO2排出量削減に貢献などです。また、気候変動下で想定される、安定的な食料調達を実現するため、植物工場の開発にも携わっています。
水リスクへの対応 水資源の節約
ウシオでは、水の使用量削減を重要なテーマと位置づけ、2025年度までに、ウシオグループの水使用量を2019年度比3%削減するという目標を設定し、取り組みを始めました。
この目標は、グループ全体の水使用量と用途を分析、施策検討した結果から設定しました。グループとして半導体関連の製造事業に参入したことから、水使用量の急激な増加が認められました。また、一部を除いて循環水化などはすでに進んでおり、削減余地が小さいことがわかりました。しかし工夫による節約、工程の見直し、循環水化の追加などについて検討し、改善に取り組んでいます。