USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.3(1995年秋発行)

特集 第7回光源の科学と技術に関する国際会議

(注目すべき発表論文<社外>)

THE INFRA-RED SUPPRESSION IN
INCANDESCENT LIGHT
FROM SUBMICRON HOLES

Masaru SUGIMOTO, Toru FUJIOKA, Takahiro INOUE, Hiroshi FUKUSHIMA,
Yousuke MIZUYAMA,Shin UKEGAWA,Tomoaki MATUSHIMA AND
Makoto TOHO Matushita Electric Works, Ltd.

サブミクロンホールを設けた白熱光源の赤外線放射の制御

白熱ランプは効率が悪いにも関わらず、他の優れた特徴により、現在、照明用光源として、多く使われている。白熱ランプの効率の悪い原因は赤外光の放射による工ネルギーロスによるものと知られている。

J.F.Waymouthによって、無数のサブミクロンサイズの穴を発光体表面に設けて、赤外光の放射を防ぐというアイディアが提唱された1)。本報はその実証実験である。

実験および結果

幾つかの方法でサブミクロンの無数の穴を試料表面にあけられた。表面が平坦な物と、温度1400Kでの波長700-2500nmでの相対エミッシビティーが測定されている(図1)。サブミクロンの穴がある物は、可視領域でのエミッシビティーの増大が大きい。

穴を高密度にあけ、700Kに過熱し、赤外光を2次元で観察した(図2)。穴の領域の赤外光の量がすくない。従来の白熱ランプの約2.5倍の効率が得られると予想される。

ただし、高温での変形が問題である。耐熱温度は結晶構造によるが、タングステン単結晶を使用した試料は2100K、1時間で変形した。

<紹介者 技術研究所 応用開発部長 五十嵐龍志>

●当発表のSymposium Proceedingsがありますので、ご希望の方は広報までご連絡ください。

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