USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.37〈特集ウシオの新しい取り組み第二回〉 2012年6月発行

シネマ/特殊映像/デジタルサイネージ・メディアファサード

Christie AutocalTM

Kathryn Cress (CDS)、吉田 ひさよ (CDS日本支社)

シミュレーション装置、プロジェクションマッピング装置、ビジュアライゼーション装置など、昨今のいくつかの用途におけるプロジェクター装置は、より複雑なものになっている。このような装置は、シームレスなディスプレイを作り出すマルチ・メガピクセル・ディスプレイへの移行が進んでおり、ときには1,000万を超えるピクセルで構成されるものもある。

リアルタイムワーピング(画像ジオメトリを変化させる)とブレンディング(映写画像の重なる部分の明るさを調整する)の導入は、多くのプロジェクターシステムをひとつにまとめ、複数の標準プロジェクターを使用して、このようなマルチ・メガピクセル・ディスプレイを作り出すことを可能にした。

このような複雑化が進む用途に容易に対処する鍵となる技術は、カメラとソフトウェアを使用し、ワープやブレンドを自動的に計算して、プロジェクションシステムに適用するマシンビジョン技術である。この技術は、ますます複雑になる状況において、設置者を支援する。

Christie AutocalTMなどの製品は、先進のプロジェクションシステムとの連携により、かつては数日または数週間を要していたであろうタスクを、数分間または数時間で行うことができるように設計されている。

この技術により、さらに複雑なシステムの導入が可能になるだけでなく、ランプ交換によって、システムを数時間または数日間にわたってオフラインにした場合に、もっとも複雑なディスプレイであっても、わずか数分間で維持および再較正を行うことができる。

写真1. US Air Force, Air Education and Training Command(AETC) に設置された「空中給油のシミュレーション」向けトレーニングシミュレーション用プロジェクターChristie Matrix Seriesが10台インストールされ、そこにChristie AutoCal™が使われている。非常に精密で正確な映像再現が求められるシミュレーション装置のため、このChristie AutoCal™機能が活用されている。

写真2. アメリカ陸軍に納入されたApache Longbow Crew Trainer simulatorシステム(設計・開発はボーイング社)
この映像表示にChristie Matrix StIMが採用された。このプロジェクターは、世界で初めて可視光LEDと赤外線LEDを個別に制御可能にしたモデル(光源もランプではなくLED)である。トレーニングを受けるパイロットは「ナイトビジョンゴーグル」を装着し、夜間の戦闘訓練をこのシミュレーターシステムで行っている。Christie AutocalTMはプロジェクターの拡張機能として使われている。

写真3. US Naval Academy(アメリカ海軍のトレーニング機関)に納入された操船シミュレーションシステム
14台のChristie DS+6K-Mすべてに、Christie TWISTTMとChristie AutocalTMがインストールされている。

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