米国レーザメーカの株式を49％取得

―半導体レーザ市場へ参入―

ウシオ電機株式会社（本社：東京都、代表取締役社長：菅田 史朗、以下　ウシオ）の100％子会社であるウシオアメリカ(本社：米国カリフォルニア州　社長：浜島健爾)は5月4日、半導体レーザメーカのNecsel Intellectual Property, Inc. (本社：米国カリフォルニア州、社長：William Mackenzie　以下、Necsel)の発行済株式の49％を取得いたしましたので、お知らせいたします。

Necselは半導体レーザの研究開発企業Novalux（米国）が以前保有していた技術や特許および、周期分極反転LN（Periodically Poled Lithium Niobate: PPLN）に関する技術などを継承しそれらを用いて、赤外波長域および可視波長域の大出力レーザを開発、事業化するため、2008年11月に設立されました。

Ｎecsel保有の特許を用いた赤外拡張面発光レーザとPPLN結晶を組み合せることにより、可視レーザへ直接波長変換することができ、シンプルな構造でありながら高い波長変換効率と信頼性を有する、小型高出力レーザが実現できました。また、レーザ、PPLN結晶ともにウェハプロセスでの製造が可能であることから、自動化などによる低コスト化が期待できます。

Necselは半導体レーザを特殊照明、デジタルシネマ、レーザテレビ、データプロジェクタなどの光源として活用することを目標に研究開発を進めてまいりました。ウシオは、Necselを５年以内にウシオアメリカの100％子会社とすることを前提にしており、今後Necselとウシオグループは協力してお客様のニーズにあった多様で、質の高い光源を提供してまいります。

24個のエミッターを備えたアレイ状の高出力赤外面発光レーザとPPLN結晶を用いるシンプルな構造です。PPLN結晶を独自の外部共振器構造内に配置することで、24本の赤外レーザ光を可視レーザ光として効率良く波長変換し、わずか1立方インチのモジュールからトータル3Ｗ以上のレーザ出力を得ています。

赤外レーザの発振波長をかえることで、可視域のさまざまな波長のレーザ光を得ることができます。Necselでは緑色と同様の方式によって青色(波長465nm)レーザについても3Ｗ以上の出力を得ています。さらに、Necselのプラットフォームを用いることにより、ほぼいかなる可視波長域のレーザも発生させることが可能です。

Necselの製品を構成するNecselアレイとPPLN結晶は、いずれも、ウェハプロセスでの製造と検査を行うことにより、低コスト化を実現しました。

エミッターをアレイ状に高集積化することで、Necselのレーザはよりコンパクトになっており、プロジェクタなど製品の小型化が要求されるさまざまなアプリケーションへの搭載が可能になります。

Necsel Intellectual Property, Inc. (本社：アメリカ合衆国カリフォルニア州)は, 2008年11月設立。コンパクトで、低コストでの大量生産が可能な世界初の可視光レーザ、Necsel^TMを保有しています。
デジタルシネマや、プラネタリウムといったようなプロジェクタ市場に必要な赤、緑、青という光の三原色の波長を提供しています。 レーザ光は明るく、広い色彩を持った鮮やかな色合いを持ち、低コストで、製品寿命が長いという特長があります。Necselはこの商品を武器に、将来的には“レーザーネオン”やLCDバックライトといった分野も開拓してまいります。http://necsel.com/

正式名称：Novalux, Inc.
現在、Necsel社の社名となっているNecsel (Novalux Extended Cavity Surface Emitting Laser)というブランドで可視光レーザを開発。日系大手電機メーカとプロジェクションテレビ用のレーザ光源モジュールの共同開発をおこなったほか、2007年のInternational CESでは「レーザテレビ」の試作機を発表しました。

ウシオアメリカ（本社：米国カリフォルニア州）はウシオ電機の100%子会社として1967年に設立。北米の開発製造拠点を２箇所有し、独自開発製品のヒーターランプやカスタマイズされた特殊ランプをはじめ、3,500品種以上の製品を北中南米市場の一般照明分野、特殊照明分野、半導体分野、エンターテインメント分野等に販売。顧客へのきめ細かいサービスを提供し、光を通したソリューション・プロバイダーの第一人者をめざしビジネスを展開しています。また、事業持株統括会社として、北米のグループ会社をまとめる役割を果たしています。http://www.ushio.com/