欧州のデジタル映写機普及促進プログラムに、クリスティが採用決定

― オーストリア最大のシネコン全193スクリーンをデジタル化 ―

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:菅田 史朗、以下 ウシオ)の100%子会社、クリスティ・デジタル・システムズ(本社:米国カリフォルニア州、CEO:浜島健爾、以下、クリスティ)のデジタル映写機(DCP)CP2000シリーズが、XDCインターナショナル(以下、XDC)社による大型DCP普及促進プログラム*1に採用され、オーストリア最大のシネコンチェーン「シネプレックス・キネマトリーベ」(以下、シネプレックス)の全193スクリーンに設置されることが決定いたしましたので、お知らせします。

シネプレックスは、XDC社が今回発表した欧州で8,000スクリーンをデジタル化する、DCP普及促進プログラムに参加する最初のシネコンチェーンです。XDC社は、2400万ユーロ(約40億円)にのぼるプログラムの実行費用を調達すべく、すでに米国の大手映画配給会社6社と、VPF*2契約を締結しています。

このたび導入されるのは、クリスティのDCP、CP2000シリーズと、XDC社製のCinestore®Solo G3 D-Cinemaサーバをベースにしたシステムで、2008年第4四半期から設置がスタートし、1年目で約半数のスクリーンをデジタル化します。また、当システムの導入により、「シネプレックス」の全シネコンは最新のライブラリサーバであるCinestore®Solo G3 D-CinemaとXDC社のシアターマネジメントシステムであるCineStore®Plazaを利用できるようになり、デジタル化によって完全に統合されたネットワークシステムを活用することができます。

設置、メンテナンス、ヘルプラインについては、ドイツのフィルム・トン・テクニック社が、オーストリアの子会社を通じて担当します。

参考資料

*1 DCP普及促進プログラム
SPC(特別目的会社)がDCPを一括購入した後、別契約により、DCPを供給されたシネコンチェーンがDCPの設置をします。製作会社によって支払われるVPFは、DCPのシステムコストの大半に充当され、シネコンチェーンは、DCPシステムコストの一部と、年間のメンテナンス費、交換ランプ代、設置費のみを負担するだけですむため、デジタル化が促進されます。SPCは、DCPの購入費を、VPF(バーチャルプリントフィー)により長期間かけて回収します。

XDC社の普及促進プログラムは、ワーナー・ブラザース・エンターテイメント、パラマウント映画、20世紀フォックス、ウォルト・ディズニー・スタジオ、ユニバーサル・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズの各配給会社がすでに合意。長期間における非独占契約に基づき、欧州で8000スクリーンをデジタル化していく計画です。

*1 VPF(バーチャルプリントフィー)とは
製作者とシネコンチェーンとの間で合意のうえ、DCPで映画が上映されるたびに、SPCに対し、製作会社が支払う費用で、DCPの購入など映画館のデジタル化に必要な資金の一部に充当されます。

クリスティについて

クリスティ製デジタル映写機CP2000ZX

クリスティ・デジタル・システムズ(Christie Digital Systems)は、ウシオ電機株式会社(東証:6925)の100%子会社であり、世界の一流企業に対し、ビジネス、エンターテイメント、産業用など、幅広い用途のビジュアルソリューションを提供しています。1929年以降、フィルム映像分野をリードするイノベーターとして、1979年以降は、デジタル映像システムのパイオニアであるクリスティとして、総合的なサービスを提供し、さまざまなディスプレイ技術やソリューションを提供する世界唯一のメーカーとして、広く知られています。シネマ、ライブ会場、コントロールルーム、ビジネスプレゼンテーション、研修施設、 3D やバーチャルリアリティ、シミュレーションや 教育、さらには産業用や官公庁施設において、最も完全で高度なソリューションを提供しています。http://www.christiedigital.com

XDCインターナショナルについて

2004年設立。ヨーロッパにおけるデジタル映画ソリューションのグローバル・プロバイダとして、劇場におけるデジタル映画システムの導入(VPF、リースなど、さまざまなビジネスモデルを利用)、および映画館で配給されるデジタルコンテンツの作成と配給のオペレーションを管理しています。また、サーバ、劇場管理システム、セントラルライブラリなど高度なデジタル映画関連製品も製造しています。XDC社は、デジタル映画に関するカンヌ国際映画祭およびロカルノ国際映画祭の公式パートナーであり、 またEDCF(European Digital Cinema Forum=欧州デジタルシネマフォーラム)の設立メンバーとして積極的に活動に参加。ベルギー、ドイツ、スペイン、およびフランスに拠点を置いています。

シネプレックスについて

「シネプレックス・キノベトリーベ」は1993年設立。オーストリア全土に20サイトの映画館(総スクリーン数193)を持つシネコンチェーン。2007年度のグループ全体の売上は、約8000万ユーロ(約136億円)。従業員数は約800人。
http://www.cineplexx.at/

フィルム・トン・テクニックについて

1960年に映画技術のサポート業務をスタート。2005年以降、ドイツ、オーストリア、オランダ、およびポーランドにおいてXDC社のサポートを担当しています。
http://www.ftt-online.de/