「スポットUV照射装置」環境配慮型、2機種を新発売
― LED方式とランプ方式 ―
ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:菅田 史朗、以下 ウシオ)は、スポットUV照射装置「スポットキュア」※1の新しい環境配慮型シリーズとして、このほど、LED方式の「SPL-1(スポットキュア・エル・ワン)」とランプ方式の「SP-X (スポットキュア・テン)」の2機種をラインナップし、この1月より「SPL-1」を、同4月より「SP-X」を順次販売してまいりますので、お知らせいたします。
スポットUV照射装置は、UV(紫外線)照射によって硬化する樹脂(接着剤)の特性を利用し、電子部品や光学部品を瞬時に高精度で接着、固定する装置で、半導体や液晶など、エレクトロニクス業界のさまざまな製造工程で広く使用されています。
樹脂はその種類によって硬化する光(の波長)が異なることから、装置に内蔵される光源には、単一波長のLEDと幅広い波長域を持つランプがあり、樹脂に応じて使い分けされています。
また、環境への対応や配慮は、エレクトロニクス業界においても重要課題のひとつであり、特に消費電力やCO2排出量の削減要求は年々急速な高まりを見せています。
こうした中、ウシオは、ユーザーの要望、要請にきめ細かく応えるために、LEDおよびランプの両方式で、新しく環境配慮型のスポットUV照射装置を開発しました。
LED方式の「SPL-1」は、LED特有の省電力という利点に加え、世界最小化・最軽量化※2を実現。また、ランプ方式の「SP-X」は、世界で初めて※3 "フル/ハーフ点灯方式"※4を採用し、消費電力およびCO2排出量で45%の削減※5を実証しています。
今回の2機種の発売により、ユーザーは、これまでの光源選択のほか、環境対応型の選択肢も持つこととなり、よりニーズに即したスポットUV照射装置の設置が可能となります。
ウシオは、今後も環境に配慮した高性能・高付加価値製品の開発に取組み、光市場における環境対策に積極的に貢献してまいります。
※1:ウシオは、業界に先駆けてランプ方式のスポットUV照射装置を開発。以来30年以上にわたり製造・販売を続け、同シリーズの出荷台数は累計で30,000台を超え、世界シェアは約40%を占めている(2009年11月末現在、当社調べ)。 ※2:4チャンネル仕様として(2009年12月31日現在、当社調べ)。 ※3:2009年12月31日現在、当社調べ。 ※4:ランプ出力を100%(フル)⇔50%(ハーフ)と切り替えても、照度や寿命が低下しない点灯方式のこと (特許出願中)。 ※5:当社従来機種比(以下「製品データ」記載の照射条件にて)。 |
製品概要
1.「SPL-1」(スポットキュア・エル・ワン)
世界最小・最軽量、かつ4,000mW/cm2のハイパワーを実現。
LED方式のスポットUV照射装置は、365nmの単波長照射のため、使用できる樹脂は限定されるものの、消費電力やCO2排出量といった環境対応面では非常に優れています。
ウシオは、LED方式のスポットUV照射装置において、世界最小・最軽量化で、かつピーク照度で4,000mW/cm2のハイパワーを実現しました。
また、チャンネル(4つの照射ヘッド)はそれぞれが独立しており、照射強度やスポット径、照射時間、設置角度などが自由に設定できるため、柔軟なライン構築と省スペース化が可能です。
SPL-1外観(左)と照射イメージ(右)
2.「SP-X」 (スポットキュア・テン)
世界初の“フル/ハーフ点灯方式”を採用、消費電力およびCO2排出量を45%削減。
ランプ方式のスポットUV照射装置は、高精度な接着位置合わせや強固な接着処理ができるほか、248~436nmの波長域で複数のピーク波長を有していることから、単一波長のLED方式に比べて幅広い樹脂に対応ができます。
しかしその一方で、消費電力やCO2排出量など、環境対応面で技術的課題※6があり、これに対し、ウシオは世界で初めて"フル/ハーフ点灯方式"のランプ開発に成功し、これによって、消費電力およびCO2排出量で、それぞれ45%の削減を可能としました。
SP-X外観(左)と、フル/ハーフ点灯可能なランプ(右・特許出願中)
※6:ランプの点灯の仕方は、従来は常に100%出力による連続点灯であり、照射対象物の照射時間やタイミングは、ランプと照射対象物との間にあるシャッターの開閉で調整していた。 |
製品データ
製品名称 |
SPL-1 |
SP-X (スポットキュア・テン) |
---|---|---|
方式 |
LED |
ランプ |
発光波長 |
365nm(単一波長) |
248~436nm(複数波長) |
ピーク照度 |
4,000 mW/cm2 ※7 |
9,500 mW/cm2 ※8 |
寿命(連続点灯時) |
20,000時間 ※9 |
4,000時間 |
寸法(H×W×D) |
100mm×60mm×160mm |
240mm×155mm×325mm |
重さ |
0.8kg |
8.5kg |
主な特長 | 1.世界最小、最軽量 2.ピーク照度 4,000mW/cm2のハイパワー 3.照射強度・時間やスポット径が、チャンネル(4つの照射ヘッド)ごとに設定可能 |
1.フル/ハーフ点灯により、消費電力およびCO2排出量を45%削減 2.本体左右両側からランプ交換可能 3.ワールドボルテージ対応 4.ファイバやフィルタなど、当社従来機(SP-9)とパーツ互換可 ※10 |
販売対象 |
電子機器・部品、FPD、レンズ・ガラスメーカーなど |
|
主な用途 |
電子部品の接着、LCDパネルの硬化・封止、レンズ成型・アッセンブリなど |
|
販売価格(税込) |
80万円 |
80万円 |
販売開始時期 |
2010年1月 |
2010年4月 |
販売計画 |
初年度100台、以後、年間500台 |
初年度1,000台、以後、年間2,000台 |
※7:照射距離17mm、照射径φ2mm時。 ※8:照射距離10mm、照射径φ2.8mm時。 ※9:標準環境下での使用時の推定値。 ※10:ランプの互換性はありません。 |
環境データ(年間)
製品名称 | SPL-1 | SP-X | 当社従来機(SP-9) |
---|---|---|---|
方式 | LED | ランプ | ランプ |
出力 | 26W | 250W | 250W |
照射条件 | 10秒照射/90秒待機 | 10秒照射/90秒待機 | 連続点灯 |
消費電力※11 | 32kw | 1,720kw | 3,129kw |
電気代※12 | 384円 | 20,640円 | 37,543円 |
CO2排出量※13 | 1% | 55% | 100% |
※11:24時間稼動時の消費電力。 ※12:1kw/hあたり 12円で算出 Duty:10%。 ※13:当社従来機(SP-9)における250W連続点灯時を100%とした際の比較。 |
LED方式とランプ方式の数値比較について
紫外線硬化においては、使用する硬化樹脂や接着部品、接着度合い、用途などにより、採用する方式が異なります。そのため、LED方式とランプ方式の数値比較はあくまでも目安であり、数値によって一方の優位性を示すものではありません。