世界初※1、紫外線の発光波長が選択できる 水銀レス光源「UV-XEFL®」を開発

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 菅田 史朗、以下 ウシオ)は、世界で初めて、紫外線領域(183nm~340nm)の中から必要な発光波長が選択できる、水銀レス光源「UV-XEFL®」(ユーブイゼフル)の開発に成功しました。

現在、紫外線を用いたさまざまなプロセス(半導体や液晶、電子部品製造における紫外線硬化や樹脂の改質、太陽電池や新素材開発における耐候試験、植物育成や各種殺菌・消毒など)では、主に水銀ランプが用いられています。しかし、その紫外線の波長は、ランプ内に封入されている水銀に依存しているため、波長域が限定されており、材料やプロセス開発、装置開発などでは、特定波長に制約された研究・開発が行なわれています。

これに対しUV-XEFL®は、水銀を用いないため、環境面で優れているだけではなく、ランプ内側の蛍光体の特性に応じて発光波長を選択できます※2。これにより、従来の水銀ランプだけではなく、現有のLEDにも無い波長や、それらを組み合わせた複数の波長による照射が可能となり、照射対象物の、より有効な成果を上げる新たな波長の解明とともに、材料の性能向上や新素材の開発、新たなプロセスの構築などが期待されます。

さらにUV-XEFL®は照射が必要な時のみの瞬時点灯や点滅点灯※3も可能なため、消費電力の削減だけではなく、既存プロセスの簡易化や搭載装置の小型化をも可能※4にします。

なお、本製品は、2011年5月24日(火)~27日(金)に、東京ビックサイトで開催される「NEW環境展/地球温暖化防止展」に実機を参考出展します(東2ホール ブース番号G238)。

「UV-XEFL®」の外観(左)と、点灯中の様子(右)

※1 2011年3月31日現在、当社調べ。
※2 UV-XEFL®のガラス管内に塗布された蛍光体には、ガラス管内の発光波長を任意の波長に変換して外部に照射する機能を持つため、蛍光体を変えることで、照射する波長を変えることができる。
※3 水銀を含んだ従来ランプは、電極からの放電によるランプ内温度上昇により水銀を蒸発させ、発光させる。水銀が完全に蒸発して安定するまで数分を要し、消灯後も水銀蒸気圧が高いため、ランプが冷えるまでは再点灯できない。
※4 従来ランプは瞬時点灯・消灯ができず稼動中は常に点灯させておく必要があり、対象物への照射をコントロールするため、搭載機器側にシャッター機構などの制御ユニットが必要となる。

主な特長

1)幅広い発光波長選択-単一波長から、複数波長まで

紫外領域の発光波長のバリエーションが広く、かつ発光サイズも短尺~長尺まで、様々なサイズに対応が可能なため、実験・開発からライン化まで、幅広い用途に使用可能。

2)瞬時点灯・消灯、点滅点灯が可能-搭載装置の簡易化と消費電力を削減

従来の水銀ランプでは難しかった必要時のみの瞬時点灯・消灯、点滅点灯が可能なため、消費電力の削減に加え、シャッター機構なども不要となり、ランプハウスや電源のコンパクト化も実現。

3)水銀レス-環境対応

水銀を使用していないため、破損時の危険や廃棄時の汚染がない。

4)安定照度-使用環境・温度を選ばない

水銀レスのため、従来の水銀ランプのように水銀の発光を促し、安定させるための温度制約がなく、ランプの周囲温度変化による照度への影響が少ない。さらに、水銀ランプに比べ、ランプ自体の発熱が少ないため、フィルムや生体など、熱に弱い材料への照射ダメージも少ない。

5)長寿命

外部電極方式のため、従来の内部電極式のランプと比べてランプ管璧の黒化がなく、長寿命。

主な用途

各種基板の表面改質、電子部品や液晶パネルなどの紫外線硬化・乾燥・接着、太陽電池などの耐候試験、医療器具などの殺菌、皮膚治療、植物育成など。

製品化について

各種アプリケーション開発とともに、波長領域の拡大とユニット化を進めており、2011年度内を目処に、各種用途向け製品化を進めていく予定です。

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