オランダ研究機関に高輝度EUV光源を初出荷

―次世代露光プロセス向けマスク検査装置用光源市場に新規参入―

ウシオ電機株式会社(本社:東京都 代表取締役社長:浜島 健爾、以下ウシオ)とオランダ応用科学研究機構(The Netherlands Organization for Applied Scientific Research: 以下TNO)は、本日、次世代の半導体製造用極端紫外光(EUV)露光技術の開発を目的とした、戦略的パートナーシップの締結を発表いたしましたので、お知らせします。

ウシオとTNOは、EUVの光学系やレチクルに影響を及ぼす紫外線を研究する目的で、新しい実験的なEUV露光と分析を行なう施設を共同で建設しています。EBL2と呼ばれるこの新しい施設は、今後の露光装置の出力ロードマップにおいて予見される、あらゆる極端紫外光の状態下で発生する表面汚染の影響について、理解を深めるという両社共通のゴールを支援するものです。

この研究施設の建設により、次世代の露光装置、マスク、ペリクルの開発は加速化されます。ウシオの高輝度SnLDP(レーザアシストプラズマ放電方式)EUV光源は、露光装置の状態と類似した管理された環境下で、EUV光を供給します。サンプルの取り扱いと搬送は自動化され、クリーン度はEUV製造にふさわしい最先端半導体製造のクリーン度に匹敵します。

ウシオのSnLDP EUV光源はクセノン光源に比べ、およそ5倍から10倍の輝度と出力を達成することが可能です。したがって、2017年以降の導入が計画されているEUV露光に伴うEUVマスク検査のスループットにも対応することができます。

EUVマスク技術は、EUV露光の事業化にとって重要であり、マスクブランクス欠陥検査(ABI:Actinic Blank Inspection)やマスクパターン欠陥検査(API:Actinic Pattern Inspection)などのようなEUVマスク検査装置の開発が必要です。ウシオでは、検査用光源をマスク検査装置メーカーに提供することで、装置メーカーおよびマスクメーカーのマスク検査プロセスを支援してまいります。

なお、ウシオは2月21日(日)から2月25日(木)に開催される「SPIE Advanced Lithography 2016」(会場:米国カリフォルニア州サンノゼコンベンションセンター、サンノゼマリオットホテル)で、次の論文発表を行います。

プレゼンテーション発表:2月23日(火) 2:10 PM – 2:30 PM
Paper 9776-22
“High-radiance LDP source: Clean, reliable, and stable EUV source for mask inspection”
Session 6: EUV Source I

オランダ応用科学研究機構(所在地:オランダ、ハーグ)

独立したイノベーション組織であり、産業の競争力と社会福祉を継続的に向上させるイノベーションを創造するために、人々と知識を結びつけ、これがTNOで日々働く2,800名のモチベーションになっています。

TNOは経済と社会的価値の結合的創造を信じ、目的のあるイノベーションこそがTNOが意味するところです。TNOは自らのためではなく、実務的アプリケーションのために知識を発展させています。TNOはパートナーと協働し、ステークホルダとともに確認された5つの変化についてフォーカスしています。

「TNO International Center for Contamination Control」は産業界におけるパートナー各社が、多様な実験施設を活用しコンタミネーションコントロールの研究開発を行なうために設立されました。http://www.tno-pharma.com/

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