プロトセラ、サノフィと新規受容体探索において技術提携

新規糖尿病、抗免疫性炎症、抗がん剤治療薬の創出に向けて

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 浜島健爾)の連結子会社である株式会社プロトセラ (本社:兵庫県尼崎市、代表取締役社長 田中憲次、以下「プロトセラ」)は、サノフィ株式会社(代表取締役社長:ジャック・ナトン、本社:東京都新宿区、以下「サノフィ」)と、創薬推進に向けた新規受容体探索において技術提携することを決定しましたのでお知らせします。

今日、疾患に関与するリガンドと受容体の構造と機能が解明され、安全性と効力に優れる分子標的医薬品の承認が続いています。今回の提携によりプロトセラは、サノフィの創薬推進に向け、自社が持つMPL法とBLOTCHIP®-MS法を組み合わせたリガンド・受容体探索技術を用いて、糖尿病、免疫性炎症疾患および癌領域での新規有用分子およびその受容体を同定します。

「2004年の創業以来、私たちは医薬品に高度に求められる安全性と効力の両方を重視した創薬を企業理念とし、そのために体外診断技術と受容体関連医薬品開発技術の革新に努めてきました。その結果、昨年度は体外診断領域で『プロトキー大腸がんリスク検査キット』が上市され、毎年複数の検査キットを開発、発売する体制が完成しました。受容体関連医薬品開発領域ではこれまでに得られたアカデミーとの共同研究の成果が逐次医薬品開発に寄与するものと期待されます。さらに今回のサノフィとの技術提携は、我が国のバイオ技術の高さが世界的企業に認められ、今後多数の受容体関連分子の機能解明を通じて世界の医療に貢献できるものと期待しています」(プロトセラ 代表取締役社長 田中憲次)

※MPL法とBLOTCHIP®-MS法を組合あわせたリガンド・受容体探索技術
細胞膜に存在する受容体は水に溶けないため、従来の精製、同定、性状分析といった解析フロー・技術が有効に働きませんでした。プロトセラは受容体をその構造特性に関わらず人工リポソームのリン脂質二重層に再構成させ、リガンド結合能を保持したまま膜タンパク質ライブラリ(Membrane Protein Library; MPL)と呼ばれる受容体が人工リポソーム上に分散したエマルジョン溶液に転換できることを発見しました。この技術(特許とノウハウ)により、培養細胞に限らずあらゆる臓器と組織に存在する受容体を大量かつ安定的に受容体関連医薬品開発に供給できるようになりました。

また、電気泳動から質量分析に至る工程を簡略化し、受容体に結合したペプチドリガンドの定量解析が可能なBLOTCHIP®-MS法を開発しました。ペプチドの質量分析を妨害するタンパク質や、生体組織からの抽出工程で混入する高濃度の塩類などは電気泳動工程で完全に除去されます。ゲル中のペプチドは電気転写によりBLOTCHIP®へワンステップで写し取られ、従来法(ゲル内ペプチドの染色、ゲルからの抽出、その後の濃縮・脱塩や測定板への添加)の煩雑な工程が省略された高速ペプチドーム解析が可能になりました。このMPL法とBLOTCHIP®-MS法を組合わせた、独自のリガンド・受容体相互作用解析技術を確立し、包括的な未知のリガンドと未知の受容体の探索・同定、さらに両者間の相互作用解析を実現しました。

■株式会社プロトセラ(本社:兵庫県尼崎市)
ウシオ電機株式会社の連結子会社。独自開発したBLOTCHIP®-MS法で発見したバイオマーカーペプチドを高速、大量、高精度に測定し、疾患リスクを検出する『プロトキー疾患リスク検査キット』として提供しています。またMPL法とBLOTCHIP®-MS法を組合わせたリガンド・受容体探索技術で発見した新規リガンドと新規受容体を治療効果と安全性に優れた受容体医薬品として提供しています。
www.protosera.co.jp


 

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