可視化照明用シートビームレーザーの製品ラインナップを強化

手軽に 「流れの可視化」ができるエントリーモデルを販売開始

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 浜島 健爾、以下 ウシオ)は、流体や発塵の可視化照明用シートビームレーザーのエントリーモデル「3Wタイプ」の販売を開始いたしましたので、お知らせいたします。

従来、PIV・PTVをはじめとした流速計測は、自動車や航空機などの輸送用機器を中心に、エンジン内部、各種タービン、空調機器、半導体製造装置などで幅広く用いられていますが、加えて近年では、以下のような用途でより手軽に流れを可視化したいというニーズが増えています。

・工場のレイアウト変更時などにおける空間的な流れの把握
・製造装置内のプロセスチャンバーのコンタミネーション(コンタミ)の可視化
・タンク内等での液体混合の可視化


そこでウシオは、2016年5月に販売を開始した「PIV・PTV計測用シートビームレーザー※5Wタイプ」のエントリーモデルとして、コンパクトなサイズや高効率はそのままに、よりコストダウンを実現した「3Wタイプ」を開発しました。

これにより、流体や発塵の可視化を定性的に把握したい工場や、高額なPIV・PTV計測システムの導入が困難な大学・研究機関などでの可視化試験やフィールド試験などが容易にできるようになり、現在注目されている「流れの可視化」の技術向上への貢献が期待できます。

なお、本製品は4月19日から21日までパシフィコ横浜で開催されるレーザーEXPO(ブースNo.G-22)にて、実機展示およびデモを実施します。
 
※ 粒子イメージ流速計測法 (Particle Image Velocimetry) 、粒子追跡流速計測法 (Particle Tracking Velocimetory) の略で、空間領域中の流体に可視化粒子を混入させ、解析したい断面にシートビームを照射し、粒子を高速度カメラで捉え、流体の速度分布を解析する手法。自動車、航空機などの輸送用機器をはじめ、エンジン内部、各種タービン、空調機器、半導体製造装置などに幅広く用いられる。

■主な特長
① 従来の可視化レーザー中上位モデルと同等の3W出力でありながら大幅にコストダウン
LDからの光を直接使うことで、レーザー部、ドライバ部ともに構成点数を大幅に削減し、コストダウンを実現。

② 高効率・コンパクト
LDの光を直接使用するので、DPSSレーザーの約3倍の高効率を実現。消費電力を抑えるとともに、冷却を含むレーザーヘッド部、ドライバ部分をコンパクト化。

③ レンズ交換可能(Cマウント)
レンズ取付部はCマウントとし、レンズ交換可能な構造。計測対象によりシート開き角や合焦ポイントの変更が可能。

④ 防塵性能
計測中の可視化粒子やその他の粉塵にさらされることの多いレーザーヘッド部は、粉塵の侵入を防ぐフィルタを装備。特にLD部分をシール構造にすることで粉塵の侵入をシャットアウト。

■シートビームレーザーによる流体可視化のイメージ


■ウシオのシートビームレーザーラインナップ
ラインナップ 5Wタイプ(発売中) 3Wタイプ(2017年4月発売)
出力 5W (0-100%調整可) 3W (0-100%調整可)
波長 赤色 638nm (typ.)
ビーム形状 シート厚さ < 1mm (出力ポートから 1.5m内)
ビーム開き角  80°(付属レンズ使用時)
寸法 レーザヘッドユニット:L190×W120×H100mm
電源ユニット:L250×W165×H100mm
用途 あらゆるPIV計測に最適
(大スケール、高流速対応)
流体や発塵の可視化/定性的な把握
(室内、筐体内など)
PIV計測(比較的小スケール、低流速のもの)にも対応
外観