さらなる高効率・低消費電力を実現した639nm、200mWシングルモードレーザーダイオードの新シリーズを販売開始

レーザーレベラーやショーレーザー、各種計測用光源として利用範囲拡大

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 内藤 宏治、以下 ウシオ)は、レーザーレベラーやショーレーザー、各種計測用光源に利用可能な赤色光源として、波長帯639nmで高効率・低消費電力の200mW高出力シングルモードレーザーダイオード(以下LD)「HL63642DGシリーズ」を製品化し、2022年1月より販売を開始しましたので、お知らせします。

 
■背景
発振波長が630nm~640nmの赤色LDは、その視認性の良さからレベラーや測距儀を始め、レーザープロジェクターやショーレーザーなどの用途に広く用いられています。また、該当波長域が、蛍光試薬の励起波長であることから、ライフサイエンス分野においても多岐に渡る用途に応用されています。
ウシオは、上記市場向けに、2018年より波長639nmで光出力 200mWのHL63392DGシリーズを製品化し、拡販してきましたが、市場からは継続的な特性向上・効率改善の要求がありました。例えば、レベラー、測距儀市場では、旺盛な住宅・インフラ投資の活況に伴い、屋外での使用を想定した低温から高温までの幅広い温度域での安定動作、長時間駆動を可能とする、より高機能な製品が求められるようになっています。
そこで、ウシオは、活性層構造やチップ構造パラメータの更なる最適化により、しきい電流・動作電流を低減し、従来製品に比べ大幅にWPEの改善を実現。また、低温から高温までの動作温度を従来の-10℃~60℃から、-40℃~60℃までに拡大しました。これにより当製品を用いた機器における低消費電力化、小型化、長時間駆動に貢献するだけでなく、寒冷地での使用など、使用可能環境の拡大を実現します。

ウシオは2030年の長期ビジョン達成に向けた重要課題の1つである「持続的な環境負荷低減」の実現に向け、今後も、光源の効率改善による低消費電力化など、環境配慮型製品の開発に注力し、市場、社会のニーズや課題に応えていきます。


■製品特長
(1) 従来製品と比較し、しきい電流・動作電流をそれぞれ10%以上低減し、WPEを28%から33%へ改善することで、更なる高効率・低消費電力を達成
(2) LDの駆動方向を、PD搭載タイプとし てカソードコモン(HL63641DG)とアノードコモン(HL63642DG)、PDなし(HL63643DG)の3タイプをラインアップ。(下ピン配置図参照)

※WPE 入力電力に対する光出力の変換効率


【製品仕様】
 HL63642DGシリーズ
 光出力(CW)       200mW (25℃), 125mW (60℃)    
 発振波長   639nm 
 電力変換効率(WPE)  33%
 動作温度  -40 to 60°C 
 横モード  横シングルモード
 発振モード  TEモード
 パッケージ  5.6mm CAN パッケージ
  

【アプリケーション】
・レベラー、測距儀
・計測用光源
・ショーレーザー
・医療用光源
・レーザーモジュール


【パッケージ】
・ウシオ標準5.6mmパッケージ
・ピン配置図(下図参照)




【特性曲線】
Output Power (CW) vs Forward Current
CW, Tc = -40, 0, 25, 40, 50, 60oC


 

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