地球温暖化対策 事業所のCO₂(SCOPE1,2)削減、省エネ

気候変動への取り組みのうち、事業所活動では日本政府や世界の動向などを見据え、足並みをそろえた緩和のための取り組みを行っています。その一つとして、SBT(science based targets)目標を設定し、その達成に向けCO₂削減の取り組みを推進しています。生産性向上や再生可能エネルギー利用などの対応を充実させています。
また、気候変動のリスクとして、エネルギーの使用によるCO₂排出量に対する規制が強化され、これに対応するためのコストが増加すると見込んでいます。そのため、生産工程の見直しや、設備更新時の省エネ機器導入などの省エネ活動を継続して実施するとともに、太陽光発電設備を御殿場事業所で増設し、ウシオフィリピンでは新設しました。また、播磨事業所ではすべての電力を再エネプランに変更しました。
マテリアリティとして2021年度からは、CO₂削減と省エネについて重要課題として引き続き取り組んでいきます。
これらの投資を促進するため、ウシオでは、インターナル・カーボンプライシング(※)を導入しました。5,000円/t-CO₂の設定により太陽光発電設備や省エネ機器への投資判断へ活用しています。これにより太陽光発電設備の設置を進めるとともに、これまで行ってきたグリーン電力証書の購入だけでなく、再エネ電力の購入・切り替えを行っていきます。省エネ活動については、原単位管理によりエネルギー使用効率の向上に努めてきましたが、一層の向上のため、より実態に合った原単位にします。新たな施策に取り組むと共に目標値の見直しなど事業を通じた地球環境保全に尽力してまいります。
 
※インターナル・カーボンプライシング:企業が独自に炭素価格を設定し、組織の戦略や意思決定に活用する手法で、コストやインセンティブとして可視化することにより、低炭素経営へつなげる。
 

事業所のCO₂削減、省エネに関する2021年度以降の計画

経営フォーカスとしての
重要課題4

2021年度計画

事業所から排出するScope1+2 CO₂排出量を2017年度比絶対値で8%削減 *
・ウシオフィリピンの太陽光発電を稼働 *
・御殿場事業所、播磨事業所への太陽光発電増設・新設検討 *
・C02排出係数をロケーション基準、マーケット基準の両方で算出
・CO2目標設定の引き上げ検討
・2020年度CO₂生産高原単位比1%削減(単体) *
・省エネ法のクラス維持(単体)
*は第6期環境行計画からの継続テーマ

経営フォーカスとしての
重要課題4

中長期目標

長期目標:2050年度Scope1+2カーボンニュートラル
2030年度目標:ウシオグループScope1+2 CO₂排出量を2017年度比45%削減する
2030年度目標:再生可能エネルギー導入 国内100%
2025年度目標:事業所から排出するScope1+2 CO₂排出量を2017年度比で20%削減
2022年度目標:事業所から排出するScope1+2 CO₂排出量を2017年度比で13%削減

※第6期環境行動計画におけるSCOPE1,2および省エネの取り組みは、マテリアリティの特定においても重要課題と評価されました。そのため、2021年度より経営のフォーカス4のテーマの一つとして、引き続き取り組んでいきます。
 

SCOPE1、2の取り組み

SCOPE1、2の削減については、地球温暖化対策委員会がコーポレート戦略会議で決定された目標達成のために、グループ全体での取り組みを推進しています。各グループ会社、各拠点ではそれぞれISO等を活用しての展開を行い、PDCAを回しています。

SCOPE1、2の内訳(2020年度)

SCOPE SCOPE2
(購入電力)
SCOPE1 (直接排出)
合計 都市ガス LPG LNG ガソリン 軽油 灯油 A重油
排出量(t-CO₂) 29,798 3,580 1,968 61 396 231 4 919 1
SCOPE1+2に対する比率(%) 89.3% 10.7% 6.4% 0.2% 1.2% 0.7% 0.0% 2.8% 0.0%

業界団体活動での貢献

ウシオは、CDPへの報告も積極的に進めています。
※CDP:英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)で、気候変動等の質問を企業や自治体へ送り、これを評価公表しています。そのスコアは、企業に投資する基準として重視されています。

主な事業所における取り組み

播磨事業所

ウシオグループのCO₂総排出量のうち、播磨事業所のCO₂排出量は37%程度を占めています。播磨事業所では、全建屋を対象に待機電力の調査と削減、ライフテスト精査による評価本数削減、空調更新、ライン見直し、省エネ活動等を行うことにより、2020年度は自主努力分として24t-CO₂を削減しました。
また毎年、夏・冬には、関西エリアの節電対応に向け、生産設備およびランプの寿命試験による電力の使用予想に基づくピーク電力の削減対応を継続的に行っています。

御殿場事業所

御殿場事業所は2020年6月末より太陽光発電を増設し、御殿場事業所電力量の6%を補っています。CO2量は年間(2020年11月~2021年10月)で350t削減できました。今後は照明のLED化、太陽光のさらなる設置を検討し、CO₂削減を行っていく予定です。

Ushio Philippines, Inc.(UPI)

2021年7月より、太陽光発電設備が稼働開始しました。フィリピンの場合、雨季と乾季で発電量に差はありますが、ウシオフィリピン全体の5%~8%を賄っています。

エネルギー管理優良工場表彰(御殿場事業所)

関東経済産業局から「エネルギー管理優良事業者等関東経済産業局長表彰」を授与しました。老朽化した恒温恒湿空調設備の更新を計画していましたが、発想を変えラジエーターを設置して低温な御殿場の工業用水を利用し、装置排熱を除去することで空調のスペックダウンにつながり、イニシャル・ランニングコストを大幅に削減することができました。また、CO₂排出量で240t-CO₂/年削減を達成しました。