電磁波と光

光とは,紫外放射,可視放射,赤外放射の範囲の電磁波のことをさす.波長で言えば,1nmから1mmの波長をもつ電磁波を「光」といい,この波長域の電磁波を放射する放射体を「光源」という.一般には,視覚系に,明るさ,および色の知覚・感覚を生じる光,すなわち可視放射のことをさすことが多い.

  1. 紫外放射とは,波長が約1nmから360~400nmの放射であり,一般には「紫外線」といわれている.
  2. 可視放射(可視光線)とは,目に入って明るさ感覚を生じさせる光放射のことで,いわゆる「光」あるいは「可視光」のことで,一般に可視放射の波長限界は短波長 側で360~400nm,長波長側で760 ~830nmの間とされているが,実用的には380nmから780nmを可視放射とすることが多い.この波長範囲のなかでは,短い波長では青,長い波長では赤というように,人間の目は色感で鋭敏に感じとることができる.
  3. 赤外放射とは,おおよそ波長 780nmから 1mm程度までの放射のことで,一般には「赤外線」といわれ,物体に吸収されると熱エネルギーに変換される.

光源を歴史的な視点から分類すれば,自然光源(太陽など),燃焼光源(たいまつ,ガス灯),電気エネルギーを使った光源(電気的光源,例えば白熱電球,蛍光ランプ)に分けられる.さらに,電気的光源は,その発光機構によって,概略3つに分類される.

  1. 熱放射光源
    電気エネルギーを熱エネルギーに変換して固体の温度を上げ,その温度に相当する熱放射を利用する光源.
    <例>白熱電球,ハロゲン電球
  2. 気体の発光光源
    気体の原子または分子を電気エネルギーで励起状態に移し,下のエネルギー状態に落ちる時に発する光を利用する光源.
    <例>水銀ランプ,クセノンランプなどの各種放電ランプ
  3. 固体光源
    固体中の電子を,電気的な方法で基底状態から励起状態に移し,再び基底状態へ落ちる時に発する光を利用する光源.
    <例>エレクトロルミネセンス,発光ダイオード,半導体レーザ

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