技術系
学生時代の専攻・研究内容
高校生の時、学校でiPS細胞を研究されている方の講演を聞いて再生医療に強く興味を持ちました。大学では細胞工学を専攻し、研究室時代は現在バイオ製剤の一翼を担っているモノクローナル抗体について研究。これは特定の細胞にのみ結合する抗体で、その結合力を高めることで少ない薬での治療が可能になるなど活用が期待されています。異分野の研究室や製薬会社と協業することで、従来よりも高性能なモノクローナル抗体の開発に成功しました。
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01
決めた理由
分野にこだわるよりも、
バイオ研究がやりたかった
小さい頃から薬の研究者になることが夢でした。高校生の時、iPS細胞の研究をされている先生のお話を聞いてバイオ研究の道へ。その先生が「真理を追求するだけでなく、それを社会に還元する」と話されていたことにも感銘を受け、いずれは社会に出て研究結果を実際の製薬や商品に活かしたいと考えるようになりました。
それなら製薬会社を目指すのが普通なのですが……大学の先輩たちから「そうした王道の就職先で実際にバイオ研究に携われるのは一握りだ」という話を聞いた私は、「それなら異分野でバイオ研究に取り組む会社に入ったほうが確実に研究できるのでは?」と考えたのです。企業パンフレットに一言でも「バイオ」「ライフサイエンス」と書かれていたら積極的に会社説明会に参加し、運よくめぐり合ったのがウシオ電機でした。後になって思えば、なかなか勇気のいる就活でしたね(笑)。
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02
仕事内容
ウシオ電機が、スキンケア?
研究を支える光の力とは
入社後は研修を経て希望通りバイオメディカル事業部に配属され、しばらくは血液検査の試薬の研究開発を担当。数年前、グループ会社の一つである美容医療ブランドがスキンケア製品を新規開発することになり、私もそこに携わることになりました。
スキンケア製品に光がどう関係するのか、不思議に思われるかもしれませんね。私たちの研究では細胞にUVを当てて老化させ、その細胞を解析することで、どうすれば老化細胞を効率的に除去できるのかを検討しています。細胞を意図的に老化させるのは容易ではなく、自社内でできるのは貴重なこと。ウシオ電機ならではの技術を活かし、おもしろい開発ができないかを模索しているところです。
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03
今後の目標
今やっている研究は
世界を変えられるだろうか
「誰もやったことがないことをやりたい」と思う性格なので、案件の提案や技術検証に1から取り組めることにやりがいを感じます。前例がないから、失敗したっていい。むしろ後悔をおそれずどんどん挑戦できる楽しさがあります。これは挑戦を受け入れるウシオ電機の社風も関係しているかもしれません。
最近出席した学会で、若い研究者からこんな言葉を聞きました。「今やっている研究は、世界を変えられるのか?」こんな信念を持って仕事に臨めたらとても幸せなことですし、自分の研究が成功することで明日から世界が変わるなんて、想像しただけでワクワクします。私も細胞工学と光の技術を組み合わせ、今までにない製品やサービスで世界を少しでも変えられたらと願っています。
光のおもしろさ
今一番注目しているのは、
「光免疫療法」。
光免疫療法とは、バイオ製剤である抗体医薬品と光増感剤を組み合わせ、腫瘍部位に近赤外光を照射することで効率的にがん治療を行うことができる技術です。光と抗体医薬品が組み合わさってできた非常に面白い技術だと思います。
ある1週間の
スケジュール
オフの過ごし方
- 実験準備
- 前週に立てた実験計画に従い、必要な細胞や細菌の培養を開始します。
- 光照射実験
- 細胞へ光を照射し、老化を誘導します。実験は短いもので半日程度、長いと1日から1日半ほどかかります。
- 解析
- 前日に光を照射した細胞について、細胞内分子の解析を実施します。照射強度に応じた細胞の振る舞いの違いを、免疫学的実験により解析していきます。
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ディスカッション
勉強会 - 担当メンバーと実験結果を共有し、ディスカッションを行います。また、自分の興味のあるテーマを持ち寄る勉強会も定期的に開催されます。
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週次報告
実験計画策定 - グループ内で進捗を報告し、フィードバック等を参考にメンバー間で予定を調整。次週の実験計画を策定します。
音楽の趣味を通じて同期と仲良くなり、同期の仲間でバンドを組んでいます。ライブハウスを借りて、ウシオメンバー主催のイベントも開きました。ライブ前は仕事と準備でどっちが本業かわからないほどの忙しさでしたね(笑)。でも会社の方々も観に来てくれて、こうしたプライベートの活動も好意的に見守ってくれます。