EUV事業譲受でフィリップスと基本合意

2010/4/26


―EUV光源の開発・生産本格化へ―

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:菅田 史朗、以下 ウシオ)は、100%子会社であるエクストリーム・テクノロジーズGmbH(本社:ドイツ・ゲッティンゲン、社長:吉岡 正樹、以下 エクストリーム)が、フィリップス・エクストリームUV GmbH(本社:ドイツ・アーヘン、社長:マーク・コートアウト、以下 フィリップスEUV)のEUV関連事業を全て譲り受けることで、ロイヤル フィリップス エレクトロニクス.(本社:オランダ・アムステルダム、社長:ジェラ−ル・クライステルレ)と4月21日に基本合意をいたしましたのでお知らせします。

エクストリームは、次世代半導体露光用EUV光源の研究・開発会社であり、2008年からフィリップスEUVと共同研究を行なってまいりました。本契約に従い、EUV光源の開発・生産を集約するため、エクストリームの拠点を、ドイツ・ゲッティンゲンからフィリップスEUVがあるアーヘン近郊に移転いたします。今夏の稼動開始を目指し、すでにクリーンルームの増設に着工しています。また、フィリップスEUVの関連する従業員は、エクストリームが引き継ぎます。

現在、半導体の最も微細な回路線幅の露光には、波長193ナノメートルのエキシマレーザが使用されていますが、さらに回路線幅が微細な20ナノメートル台以降の次世代半導体を製造するには、波長13.5ナノメートルのEUV光源が不可欠であり、半導体メーカや露光装置メーカからはその量産が待たれています。

 ウシオは2005年、エクストリームに50%出資。その後、2008年には、同じDPP方式*1のEUV光源を開発するフィリップスEUVと共同研究を開始し、同年にエクストリームを100%子会社化しています。
今回の合意によって、DPP方式のEUV光源の開発・製造はエクストリーム1社に集約されることになり、ウシオは同社を通じてEUV光源の開発を一層加速させ、生産を本格化してまいります。


エクストリームが移転するアーヘン郊外の開発・生産施設


参考資料


1)ウシオ電機のEUV開発の経緯

2001年 エクストリーム設立
2002年 EUVA※2発足、ウシオ参画
2005年 ウシオ、エクストリームの株式50%を取得
2006年 フィリップスEUVがα機を出荷
2007年 ウシオ/エクストリームがα機を出荷
2007年 ウシオとフィリップスが業務提携
2008年 エクストリームとフィリップスEUVが共同研究を開始
2008年 エクストリーム/フィリップスEUVが、発光点で500Wの出力を実証
2008年 ウシオ、エクストリームを100%子会社化
2010年 EUVAで発光点出力1kWを実現※3

2)用語について

※1 DPP方式(Discharge Produced Plasma)
放電で生成するプラズマからEUV光を発光させる光源。EUV光源には、DPP方式以外にレーザで生成するプラズマからEUV光を得るLPP方式(Laser Produced Plasma)があり、2方式の間で開発競争が行なわれている。

※2 EUVA(Extreme Ultra Violet Lithography System Development Association)
極端紫外線露光システム技術開発機構
2002年6月、半導体微細加工を実現するため、極端紫外線(Extreme Ultraviolet:EUV)を用いた光源・露光装置技術の早期確立を産学官一体となって推進する目的で、技術研究組合法に基づき、設立。 2008年からは、光源開発に特化し、NEDOからの委託事業「MIRAI」、及び自主研究開発を、3年計画で推進。組合員としてウシオ電機株式会社、NECエレクトロニクス株式会社、キヤノン株式会社、ギガフォトン株式会社、株式会社小松製作所、株式会社東芝、株式会社ニコン、富士通マイクロエレクトロニクス株式会社、株式会社ルネサステクノロジの9社が参加している。(2010年4月からは、NEC エレクトロニクスとルネサステクノロジは合併し、株式会社ルネサスエレクトロニクスへ)http://www.euva.or.jp/index.html

※3 2010年4月発表。詳細はこちらをご参照ください。


3)ロイヤル フィリップス エレクトロニクスについて

ロイヤル フィリップス エレクトロニクス(本社:オランダ、NYSE:PHG, AEX: PHI)は、タイムリーな革新を通じて人々の生活の向上を目指し、多様化する健康とやすらぎを提供する企業です。
ヘルスケア、ライフスタイル、ライティングにおける世界のリーダーとして、お客様の視点やブランドプロミスである“sense and simplicity(センス アンド シンプリシティ)”に基づいて、人を中心に技術とデザインを統合します。世界60ヶ国以上に116,000人の従業員を擁し、2009年の売上は230億ユーロで、心臓病ケア、急患治療とホームヘルスケア、省エネ照明ソリューション、新しい照明のアプリケーションのマーケットリーダーであると同時に、薄型テレビ、男性用シェーバーやグルーミング、ポータブルエンターテインメントそして、オーラルヘルスケアなど、人々にやすらぎや喜びをもたらすライフスタイル製品においても強いリーダーシップを発揮しています。ニュースリリースについてはホームページをご覧ください。(http://www.philips.com/newscenter/



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