エクストリームテクノロジーズとフィリップスEUV
DPP方式によるEUV光源の最高出力500Wを実証

エクストリームテクノロジーズGmbH(以下、エクストリーム)とフィリップスエクストリームUV GmbH(以下、フィリップスEUV)は、2月26日、高集積回路の量産装置(HVM)に必要とされるEUV光源の出力目標を十分に上まわる500Wを実証した、と発表しました。

両社は原理実験により、DPP方式のEUV光源で、これまで数キロヘルツ程度しか確認されていなかった繰り返し周波数が、100kHzまでスケールアップでき、スキャナ入り口では500W以上の出力が達成できることを示しました。本実験結果は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市で開催中のSPIE(International Society for Optical Engineering)の‘Advanced Lithography 2008’で発表されました。

「光源の高出力化は、EUV開発の主たるボトルネックのひとつとなっており、従来、量産化のためには180W以上の出力がターゲットとなっていました。実験では、競合するLPP(レーザープラズマ)方式より、我々のDPP(放電)方式の光源のほうが、はるかに大きい出力が比較的容易に実現可能であることが示されました」と、フィリップスEUVのゼネラルマネージャ、マーク・コスアウト氏はコメントしています。また、エクストリームの吉岡正樹社長は、「これはDPPの拡張性を示す大きな進歩です。両社の協力による大きな成果であり、世界初のEUV光源の実用化という両社共通の事業目標の可能性を示すものです」と語っています。

フィリップスEUVとエクストリームは2007年11月、EUV光源を共同開発するため、業務提携を発表しました。両社は、現在世界にあるEUVを使用する露光機のアルファ機すべてにEUV光源を供給しており、量産用EUV光源の実用化についての知識を多数有しています。両社は、放電ランプのように、電極間でプラズマを燃焼させるDPP方式のEUV光源技術を採用しており、電極を延長し回転させるというアイデアが大きなブレークスルーへと結びつきました。この技術は、高出力時の過度な熱負荷を簡単に取り除き、電極の長寿命化も実現しています。

参考資料

エクストリームテクノロジーズGmbHについて

EUV光源の研究開発会社。ウシオ電機の子会社。設立:2005年 所在地:ドイツ・イエナ
■URL http://www.xtremetec.com/

フィリップスエクストリームUVについて

EUV光源の研究開発会社。ロイヤル フィリップス エレクトロニクスの子会社。所在地:ドイツ・アーヘン

ウシオ電機について

ウシオ電機株式会社(本社:東京 東証6925)は1964年設立。各種照明、OA用ハロゲンランプなどのほか、半導体・液晶製造工程で使用される露光用UVランプ、データプロジェタクタ用各種放電灯などを取り扱っています。また、自社製ランプを組み込んだ各種光学装置やシネマプロジェクタなども製造販売し、数多くの製品が高いマーケットシェアを獲得しています。社員数は海外連結子会社を含み約4700人、連結売上高は1515億円(2007年3月期)
■URL http://www.ushio.co.jp/

ロイヤル フィリップス エレクトロニクスについて

ロイヤル フィリップス エレクトロニクス(本社:オランダ、NYSE:PHG, AEX:PHI)は、ヘルスケア、照明、コンシューマライフスタイル、において、“sense and simplicity”というブランドプロミスと共に、人を中心にすえた革新的製品とサービスおよびソリューションを提供するグローバル・リーディングカンパニーです。オランダに本拠地を置き、世界60ヶ国以上に123,800人の従業員を擁し、2007年の売上は270億ユーロで、医療用画像診診断機器、生体情報モニタ、省エネ照明ソリューション、パーソナルケアなどの市場におけるリーダーシップを発揮しています。
■URL http://www.philips.com/global/