ウシオ製EUV光源、欧州研究機関に搬入開始
―国際会議で発表―
ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:菅田 史朗、以下 ウシオ)の100%子会社であるエクストリームテクノロジーズ(XTREME technologies GmbH 本社:ドイツ・アーヘン、社長:マーク・コートアウトMarc Corthout、以下、エクストリーム)は、3月3日(アメリカ西海岸時間)、昨年欧州の独立国際研究機関IMEC*1(Interuniversity Microelectronics Centre:ベルギー)が採用を決定したDPP方式*2の量産試作機用EUV光源*3について、このたび搬入が予定通り開始したことを、リソグラフィー技術に関する国際会議「SPIE Advanced Lithography 2011」(2011年2月27日~3月3日 米国カリフォルニア州サンノゼ)で発表いたしましたので、お知らせします。
エクストリームの量産試作機用DPP方式EUV光源は、露光機に接続後わずか1ヵ月間でアップタイム(稼働率)が60%に達する性能が確認されたため、予定どおりIMECへの搬入が開始され、同時に立ち上げ作業が進んでいます。これはエクストリーム製EUV光源の信頼性、安定性を証明するもので、今後はIMECにおいて量産試作機用光源としてプロセス開発に貢献することが期待されます。
ウシオでは、22nm世代以降の半導体製造に必要なEUV光源を開発するため、EUVA*4を通じ日本のNEDO*5、ドイツのBMBF*6からの研究委託や開発補助金を受け、1990年代からEUV光源の開発を行なってまいりました。2008年にはエクストリームを100%子会社化し、また2010年にはフィリップスEUVから事業買収を行なうなど、EUV光源の研究開発を積極的にすすめてまいりました。
IMECには、デバイスをはじめ、マスク、レジストなど半導体製造に関わる多数の企業が参加しており、DPP方式EUV光源(実験機用)をすでに稼動させています。昨年12月にエクストリームで行なわれた量産用新工場の開所式では、IMECから2011年春にエクストリーム製の量産試作機用DPP方式EUV光源を導入することが公表されていました。
今回IMECに搬入が始まった量産試作機用DPP方式EUV光源は、エクストリームが昨年受注していた複数台のうちの1台にあたります。ウシオは、今後ともエクストリームを通じて、DPP方式EUV光源の量産化実現のための開発を一層加速してまいります。
*1 IMEC(Interuniversity Microelectronics Centre) |
IMECに搬入準備中のエクストリーム製量産試作機用DPP方式EUV光源の本体部

参考資料
ウシオ電機のEUV開発の経緯
2001年 | エクストリーム設立 |
---|---|
2002年 | EUVA発足、ウシオ参画 |
2005年 | ウシオ、エクストリームの株式50%を取得 |
2006年 | フィリップスEUVがα機を出荷 |
2007年 | ウシオ/エクストリームがα機を出荷 |
2007年 | ウシオとフィリップスが業務提携 |
2008年 | エクストリームとフィリップスEUVが共同研究を開始 |
2008年 | エクストリーム/フィリップスEUVが、発光点で500Wの出力を実証 |
2008年 | ウシオ、エクストリームを100%子会社化 |
2010年 | EUVAで発光点出力1kWを実現 |
2010年 | フィリップスEUVより事業買収 |