屈折率

index of refraction, refractive constant, refractive index くっせつりつ

解説

屈折率とは、媒質中のの速度に対する真空中の光の速度の比のこと。
屈折率は、次式で表される。
屈折率n=(真空中の光の速度)/(媒質中の光の速度)
記号はnで、単位は1、数値だけで表示する。

媒質中の光の速度は、その光の波長により変化することから、屈折率も波長により変化する。これを利用したものにプリズムがある。太陽光をプリズムに通すと波長ごとに分離され、鮮やかな虹色を呈する。
同様に、レンズの焦点距離も波長によって異なる。この程度を表す指数に、アッベ数がある。アッベ数とは、ある波長(周波数)レンジでの光の分散の大きさを数値化したもので、逆分散とも言う。

アッベ数が小さいほど分散は大きい。次式で表される。
Vd=(nd-1)/( nF-nC
フラウンホーファーのC線(656.3nm)、d線(587.6nm)、F線(486.1nm)に対する屈折率を、それぞれ以下とする。
nd : d線(波長587.6nm)での屈折率
nF : F線(波長486.1nm)での屈折率
nC : C線(波長656.3nm)での屈折率

最近ではドイツ、フランスをはじめとして以下を用いることが多い。
Ve=(ne-1)/(nF'-nC'
フラウンホーファーのe線(546.1nm)、F'線(488.0nm)、C'線(643.9nm)に対する屈折率を以下とする。
nF': F'線(波長488.0nm)での屈折率
ne : e 線(波長546.1nm)での屈折率
nC': C'線(波長643.9nm)での屈折率

※従来、全ての物質の屈折率は、正の値であると考えられていた。しかし近年、人工的に屈折率が負の値を持つ物質が創られ、従来の光学、広くは電磁波の概念が一変した。この物質の性質は、従来の考え方では全く常識はずれなものであり、その用途開発が先端技術開発として進められている。