光子

photon こうし

解説

光子とは、素粒子の1つで、場の量子論において、電磁波)を粒子と考える場合の名称のこと。
光子は、フェルミ粒子とボーズ粒子の二つに分類される素粒子の中のボーズ粒子に属し、また、標準模型に含まれる17個の素粒子の中の一つである。
光の粒子性は、光の波長が短くなるにつれて強くなり、例えば、光の粒子性を説明したコンプトン効果(コンプトン散乱とも言う)はX線で行われた。

量子力学では「光は粒子であり、波である」ことが示されており、振動数νの光は、プランク定数hとνの積(hν)のエネルギーを持つ離散的量子として振る舞うことから、その量子は光子と名付けられた。 光子の電荷と質量は共に0、光子伝搬方向の運動量はhν/c(cは光速度)、スピンは1であり、記号はガンマ線に因んでγで表される場合がある。

※古くから、光の実体を「波」とする波動説と「粒」とする粒子説があり、干渉実験などが波動説をよく説明していた。しかし、1900年、プランクは、光が「波動性」と「粒子性」の性質を同時に有することを提唱し、1905年、アインシュタインは、光子(光量子)の概念を導入して、光を吸収して電子を放出する現象(光電効果)を説明した。この光電効果の理論により、アインシュタインは1921年にノーベル物理学賞を受賞した。