シネマコンプレックス

cinema conplex しねまこんぷれっくす

解説

シネマコンプレックスとは、6~18程度の劇場(スクリーン)を持つ映画館のこと。シネコン、複合映画館、マルチプレックス(シアター)と呼ばれることもある。
一般に、ショッピングセンターやアミューズメントモールなどの施設に併設され、6スクリーンに満たないシネマコンプレックスをミニプレックス(ミニコン)、6スクリーンを越えるシネマコンプレックスをメガプレックス(メガコン)という。

※シネマコンプレックスは、本来は、映画館を含む複合施設全体のことを指すが、日本では、法令等での明確な定義はなく、映画館そのものを示す用語として定着している。
通商産業省(1998年映像産業活性化研究会報告書)と日本映画製作者連盟(日本映画産業統計、毎年発表)が示す共通の条件項目としては、おおよそ次の4つになる。
①複数のスクリーン(5以上)を同一の施設内に集約している。
②ロビーや売店、チケット売場、入口(もぎり)、映写室等を複数のスクリーンで共有している。
③映画館としての名称は1つであるか、もしくは複数のスクリーンで統一性を持っている。
④完全入替制を採用し、定員制か全席指定席制の併用で立ち見がない。

※日本における本格的なシネマコンプレックスの第1号は、1993年のワーナーマイカルシネマズ海老名(7スクリーン、静岡県海老名市)である。以降、シネマコンプレックスは大型ショッピングモールと連動して、集客装置としての存在感を示し、映画館は、駅前型単独館から郊外型シネマコンプレックスへと移行していった。斜陽産業と言われて久しかった映画興行は、シネマコンプレックスの登場を境に復活し、スクリーン数は734から3,412(2010年)に回復した。
しかし、2008年からシネマコンプレックスの新設が減速し、2011年末には既存映画館の廃業件数が新設スクリーン数を上回り、3,339スクリーンに減少。入場者数も、2010年は3Dブームもあって、過去36年間で最多の1億7,400万人を記録したが、東日本大震災やヒット作品の不在などがあった2011年は2割減となった。