「パワーデバイス」「MEMS」「3次元実装」向け、
リソグラフィ装置3機種を発表

- ウェハ一括プロジェクション方式により、CoOを削減 -

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 菅田 史朗、以下 ウシオ)は、自社のモジュラー型一括プロジェクション装置「UX4シリーズ※1」の最新機種として、MPAマスク※2がそのまま使用できるパワーデバイス製造用「UX4-ECO FFPL150」、重ね合わせ精度0.5μmの性能を持ち、新開発の焦点深度最大500μmのレンズ・モジュールや、多品種生産対応のオート・マスクチェンジャー・モジュールを搭載したMEMS製造用「UX4-MEMS FFPL200」、及び300mm一括プロジェクションレンズを搭載した3次元実装用「UX4-3Di FFPL300」の3機種を開発し、順次販売を開始します。

なお、これら3機種の詳細については、2011年12月7日(水)~12月9日(金)に、幕張メッセで開催される「セミコン・ジャパン2011」の自社ブース(5ホール、ブースNo.5A-606)において、ステージ・プレゼンテーションを行ないます。

※1 20年以上に渡り、半導体やFPD、プリント基板、MEMSなど各種用途向けに製造・販売しているウシオの露光装置シリーズの総称。全世界で、シリーズ累計約1100台が稼動中。プロキシミティ、コンタクト、一括投影、ステッパと、露光装置の主流方式を揃え、対象ワークもウェハ、P板、ロールtoロールなど幅広く対応している。光源、レンズ・ミラーなどの光学、マスク・ワークの搬送、アライメントなどの要素技術も自社開発。その中で、一括プロジェクション方式が「UX4シリーズ」。

※2 キヤノン株式会社製の露光装置MPA(Mirror Projection Mask Aligner)専用マスクのこと。MPAの製造は終了しているが、マスクをそのまま使用できる代替装置のニーズが発生している(MPAはキヤノン株式会社の登録商標です)。

UX4-ECO FFPL150
パワーデバイス製造用、MPAマスク互換150mm一括プロジェクションリソグラフィ装置

ウシオが2010年11月に発表したパワーデバイス製造用一括プロジェクション装置「UX4-ECO」のプラットフォームに、パワーデバイス製造の中でも、特にディスクリートデバイスの生産に広く使われているMPAマスクがそのまま使用できるマスク互換モジュールを搭載しました。

さらにスペック面でも、パワーデバイス製造の主流である直径150mmでL/S=2/2μmの解像性能をもつ新開発レンズを搭載しました。これにより、既存の製造プロセスを変更することなく、リソグラフィ装置の更新が可能になると共に、一括プロジェクション方式による生産性の向上を実現します(2012年6月販売開始予定)。

主な特長

  • 解像性能 L/S=2/2μm、新開発の150mm一括プロジェクションレンズ搭載
  • MPAマスク互換

UX4-MEMS FFPL200
MEMS製造用 200mm一括プロジェクションリソグラフィ装置

MEMSデバイスは、製造するデバイスによって要求性能や生産ボリュームが全く異なるため、それぞれに最適にカスタマイズされたリソグラフィ装置を導入する必要があります。

今回発表したウシオのMEMS製造用一括プロジェクションリソグラフィ装置「UX4-MEMS」は、UXシリーズ共通プラットフォームのモジュラーコンセプトを活かし、新開発の焦点深度500μm一括プロジェクションレンズ、多品種生産に対応する30段オート・マスク・チェンジャーとオンライン対応、反りの強いワークや特殊ワークに対応する特別設計搬送系などの各要素モジュールを、デバイス要求にあわせて柔軟に組み合わせ、またはバージョンアップしていくことが可能です。

さらに、ウェハの表面と裏面を同時に露光するDCシステム(Double Alignment Camera System)により、ウェハ両面からの高精度加工にも対応します(2011年12月販売開始)。

主な特長

  • 表面・裏面アライメント精度0.5µm以下
  • 最大500µmの深い焦点深度
  • 多品種生産に対応する、30段オートマスクチェンジャー搭載
  • 特殊基板に対応する、吸着板と搬送系のカスタマイズ
  • 両面同時投影露光「DCシステム」(オプション)

UX4-3Di FFPL300
3次元実装用 300mm一括プロジェクションリソグラフィ装置

スマートフォンなどのモバイルデバイスの進化にあわせ、3次元実装のニーズが高まっています。しかし、3 次元構造を実現するための最有力技術であるTSVの量産採用には、コスト削減という大きな課題があります。

ウシオは、2011年9月に発表した3次元実装用一括プロジェクション装置「UX4-3Di FFPL200」のプラットフォームに300mm一括プロジェクションレンズ搭載を搭載することで、ウェハ処理1時間当り120枚の高スループットを実現し、最大50%のCoO低減を実現しました(2011年12月販売開始)。

主な特長

  • 300mm一括プロジェクションレンズ搭載
  • 120枚/時間の高スループット
  • 裏面アライメント/IRアライメント対応
  • 50μm~100µm厚レジストでの高アスペクト比露光を実現
  • シンプルな一括プロジェクション方式による高いアップタイム

装置外観

UX4-ECO FFPL150およびUX4-MEMS FFPL200(左)、UX4-3Di FFPL300(右)