レーザリフトオフ装置(レーザーリフトオフ装置)
laser lift off system
れーざりふとおふそうち(れーざーりふとおふそうち)
解説
レーザリフトオフ装置(レーザーリフトオフ装置)とは、垂直構造の青色LEDを作製するために、パルス発振の高密度UVレーザ光を用いて、LEDのサファイア基板をGaN(窒化ガリウム)系化合物結晶層(材料層)から剥離する装置のこと。
この剥離技術をレーザリフトオフ(laser lift off、LLO)と言う。
レーザリフトオフ装置には、パルス発振の高密度KrFエキシマレーザ(波長248nm)が搭載されている。248nmのレーザ光はサファイアを透過してGaN層に到達する。GaNはこの光を吸収して、約20nmの深さにわたってGa(ガリウム)とN2(窒素)に分解される。このため、レーザリフトオフ装置を使うことで、LEDの構造にダメージを与えることなく、サファイア基板を剥離することができる。
※青色LEDのGaNの成長用基板にはサファイアが用いられるが、サファイアは絶縁体であることから、+と-の電極がp型GaNとn型GaNの表面に隣り合わせで配置された水平構造のLEDが、現在一般的である。
しかし、水平構造のLEDは、電流がMQW(アクティブ多重量子井戸、発光層)を通過する際に電流分布が不均一になったり、n型電極に向かう際には電流集中が起こったりする。また、基板の放熱にも難があり、これらがLEDの耐久性の向上や高輝度化の妨げとなっている。
レーザリフトオフを用いて作られた垂直構造のLEDには、サファイア基板がなく、これらの問題は生じない。このため、青色LED製造プロセスにおいてレーザリフトオフ装置の導入が進んでいる。