バックライト

back light ばっくらいと

解説

バックライトとは、直視型液晶ディスプレイに使われる液晶の背面に設けて、液晶を照明する装置1)のこと。あるいは、舞台や被写体を後方から照明するや照明する装置のこと。

バックライトには、エッジライト方式(サイドライト方式、導光板方式とも言う)と直下型方式がある。エッジライト方式は、アクリル製の導光板の側面に冷陰極蛍光ランプ(CCFL)やLEDなどの光源を配置し、側面から入射した光は導光板の表裏でアクリルと空気との界面の臨界角 2)を利用し、全反射を繰り返し導光板の広い面積に広がり、裏面に設けられた反射ドットで拡散反射して、導光板の広い面積から光を均一に放射する。直下型方式では、液晶の後方に多数のCCFLやLEDなどの光源を配置して光を均一に放射する。
実際のバックライトでは、偏光板、反射シートや拡散フィルム、位相差フィルム、プリズムシートなど、各種の光学機能フィルムを併用し、輝度や均一性を向上させる工夫をしている。

1)液晶自身は発光せず、光のシャッター機能として働く。このため照明が必要になる。液晶TVやパソコン画面などに使われる透過型液晶では、照明する装置を裏面に配置することから、これをバックライトと言い、反射型液晶で照明する装置を設ける場合は、液晶の前面に配置するので、これをフロントライトと言う。

2)臨界角:屈折率の大きい物質(屈折率n1)から屈折率の小さい物質(屈折率n2)に光が入るとき、全反射が起きる最小入射角のこと。この角度以上で界面に入射する光は全反射される。θ=arc・sin (n2/n1)で表される。導光板に使われるアクリル(屈折率n1=1.49)から空気(屈折率n2=1)では、臨界角θ=arc・sin (1/1.49)=42.2°である。
臨界角を参照。