放射温度計
radiation pyrometer, radiation thermometer
ほうしゃおんどけい
解説
放射温度計とは、物体からの特定波長帯域の熱放射を測定して、その放射温度を計測する装置のこと。
対象が黒体の場合、放射率を1として、近似する温度が求められるが、実在の物質では、測定波長での放射率の補正が必要である。
→熱放射、分光放射率を参照。
※放射率は、被測定物質、温度、表面状態(たとえば凹凸)や、測定波長などによって変化する。このため、適切な放射率の設定が必要である。
※人体表面の放射率は0.95程度、つるつるぴかぴかの金属面では、アルミ0.05、金0.03、鉄0.08 と低いが、酸化したザラザラの金属面では0.7~0.9となるものがある。
ある温度での物体の放射率を求めるには、プランクの熱放射理論値と測定される値との比をとればよいが、可能ならば、測定面での測定波長の光の反射率rを測定して、1-rを用いるという方法もある。
※ガラスのような透明物質では、反射率、吸収率、透過率を考慮した適切な波長帯域の選定が重要となる。