失透
devitrification
しっとう
解説
失透とは、ガラスなどで、準安定のガラス状態から結晶化が進行し、多くの結晶核から成長した結晶粒の集合体へと変化すること。これによって、結晶の粒界で光を散乱して不透明になることから、この現象を失透という。
※石英ガラスでは、失透の進行は、一般に高温になるほど促進され、雰囲気や石英ガラス表面の汚れにもよるが、ガラスの表面が白くなっていく。これは、ガラスの表面に付着したアルカリ金属(ナトリウムなど)や水分などの不純物が、ガラス網目を切断し、結合の再配列を促進し、クリストバライトの結晶になることに起因する。
失透の発生温度は800℃であるとの報告事例もあるが、1000℃を超えて1200℃になると、失透はより促進される。また、失透領域の深さなどにもよるが、この状態でランプの点滅などのヒートサイクルが加わると、粒界にクラックが生じ、発光管の強度を低下させる。