USHIO

光技術情報誌「ライトエッジ」No.3(1995年秋発行)

特集 第7回光源の科学と技術に関する国際会議

(注目すべき発表論文<社外>)

LOW POWER COMPACT ELECTRODELESS LAMPS

D.O.Wharmby and S-A EL-Hamamsy
GE Lighting, GE Corporate Research and Development

セラミックバルブ高出力放電ランプ“光源の未来のKey technology”

Introdudion

光源に重要な要素は効率と色の質である。ただし、用途により、その要求は異なる。図1にそれぞれの用途での、要求される効率、色の質の関係を示した。効率、色の質の改善に放電ランプのバルブとして使用されるセラミックスが重要な役割をになう。本報では、これらセラミックスをバルブに用いたランプの進歩について述べられている。

1.白色高圧Naランプ

白色高圧Naランプ、不飽和高圧Naランプなど高圧Naランプは従来からアルミナを発光管に用いてきたが、発光管に使用されるアルミナの改良(カルシウムの低減)、シール材として用いられるフリットの改良、リード線(導入線)の改良、エミッターの改良などで、演色性、寿命の改善が計られている。

2.メタルハライドランプ

注目すべきはセラミックス発光管メタルハライドランプである。図7に示すように、メタルハライドランプはバルブ温度が高いほど、演色性もよくなり、色むらも少なくなる。

従来使用されていた、石英ガラスでは高温での希土類のハライドの浸食により、使用温度が制限される。アルミナは希土類のハライドの浸食に対して耐性を持つが、封入ガスとして使用されるメタルハライドとランプ構成材との反応で、メタルハライドが枯渇し、短寿命になることが問題点で、使用不可能であった。

図8のようなランプが開発された。改良点を以下に示す。

  • 1)ハライドの耐性のあるフリットの開発。フリット温度を突き出し型のリード線(導入線)の採用により、低温化したこと
  • 2)リード線(導入線)に使用されているニオブのリークをフリットでカバーし、改善したこと。
  • 3)フリット由来のMg、Caと封入希土類の交換による希土類の減少を、フリットを封入希土類と同種の希土類を採用したことで改善したこと。

表1にセラミックスメタルハライドの典型的な特性を示す。色温度が3000Kと低く、効率、演色評価指数、寿命もそれぞれ85-90、/W、>83>6000時間と非常によい特性を示す。店舗証明の他、色の質が問われる照明で今後普及すると著者らは述べている。

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