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光技術情報誌「ライトエッジ」No.7(1996年7月発行)

<特集>熱放射加熱

あとがき

加熱用光源の製造・供給者の側から見ると,最近まで日本では他の先進工業諸国に比べ「光を用いた加熱処理」をはじめ、広く「光」を生産の道具として使う利用技術はかなり遅れていたように思える。しかし、製造業においては自己の製品の品質.性能・コストなどで全世界の競争者の製品との差別化を実現しないとマーケットに生き残れなくなってきている。本号で記述されているように「光による加熱」にはたくさんの特徴がある。この特徴をうまく利用、活用することによって、製造業および非製造業において昨日まで扱ってきた商品の品質・性能・コストの面での改善がはかれる可能性は高いと考えられる。

一方、我々の生活においても、例えば保健という立場から見て「光」は、赤外線、近赤外線を放出しない蛍光ランプからの光だけで充分であろうか?生理学的にもっと追求すべき問題と思われる。地下や密閉に近い建物内での人間の活動がますます盛んになってきた今日、この問題は真剣に検討されるべきと考える。

広範囲の分野の方々が日常の問題として抱えておられることが「光」によって解決でき、それによって世界的に優位にたてる製品をつくり出せるかもしれない。ウシオ電機(株)としても皆さま方の問題解決や新発想の具現化に協力させていただきたいと考えている。

本号がそれらの糸口になれば幸いである。

(平本立躬)

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